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(書評)更年期少女

著者:真梨幸子

更年期少女更年期少女
(2010/03)
真梨 幸子

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池袋のフレンチレストランに集った女性たち。互いのことを「エミリーさん」「シルビアさん」などと呼ぶ彼女らは、往年の人気漫画『青い瞳のジャンヌ』のファンサイトを運営する「青い六人会」。互いに漫画の話などをしながら、同人誌を作るだけの定例会のはずが、次第にメンバーが一人、また一人と失踪して……
あたたたた……。なんか、読んでいて、凄くそんなことを感じる。なんていうか、真相に至る部分でのひっくり返しとか、そういうものもちゃんとできているんだけど、それ以上に、「六人会」のメンバーたちの姿に、凄い痛々しさを覚えてしまう。
そして、ある意味では、似たような活動をしている自分自身にも……
冒頭にも書いたように、物語は、往年の漫画のファンサイトの運営をする女性達の視点で綴られる。魅力的な文章で、他のメンバーを惹きつける中心人物の「ガブリエル」。そして、その他の面々。それぞれの形で『ジャンヌ』を愛し、活動へとのめり込んでいく。ある意味で、気持ちは純粋。でも、当然、それぞれの形、では齟齬が生じるし、それ以上に自分の生活、というようなものもある。それが凄く生々しくて、ある意味、「痛々しく」感じられる。
確か、著者のデビュー作『孤虫症』はWeb配信の形で出して、その上で、メフィスト賞受賞して単行本の形になったものだったと記憶している。そういう経緯などもあるのだろうが、いわゆるオタクネタとかについても、結構、詳しいのだろうと感じる。
実際、私自身がコミケとかにも参加しているけど、「同じ作品」を使ったサークルの中でも、評価のポイントが違ったり、「こういうのは許せない」なんていうトラブルがあったり、なんていう話はしばしば耳にする。コミケなんかの場合は、各々が「サークル」という別の形を取っているわけだけど、それですら、だ。こういう大々的な「ファンサイト」。そして、複数人で運営する、なんていうところでは、絶対にトラブルが起こるよな、と「嫌な意味で」実感を込めて感じた。
ただ、その一方で、あまりにこの「六人会」の面々は、極端過ぎる状況にあるだろう、という気がしないでもない。まともな社会生活を送っていない。極端な問題を抱えている、という面々ばかりなのはどうなんだ、と感じざるを得ない。逆に言えば、そうだからこそ、異様なまでにのめり込んでしまう、という見方も出来るのだろうが。でも、それを集めたら、トラブルにしかならんがな(笑)
ひっくり返しとか、そういうところの評価もすべきなのだろうが、そういうのより、何をさしおいても、登場人物達の痛々しさ。それが印象に残る一冊だった。

No.2488

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COMMENT 2

そら  2011, 04. 05 [Tue] 15:31

たこやきさん,こんにちはっ♪

痛々しい…って言葉がたくさんありましたね~(^^;)
こういう感じって女性特有なものかと思ってたけど,
意外とそうでもない…ってところが発見でした。


>極端な問題を抱えている、という面々ばかり

>それを集めたら、トラブルにしかならんがな(笑)

だよね~o(^▽^)o

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たこやき  2011, 04. 09 [Sat] 18:20

そらさんへ

この場合、コミケとか、性別の違いはあれども、「オタク」ネタというところを前提にしているところもあるんですけどね(苦笑)
でも、決して、男女の違い、だけではないと思います。

ただ、やっぱり極端なメンバーしかいないですよね。
コメントの返事を書くのに、パラパラと流し読みして……やっぱり、なるべくしてなった、という感じがします。

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  •  「更年期少女」
  • この本,表紙が結構恥ずかしいです(笑) ★★★☆☆ 池袋のフレンチレストランに集まったのは、往年の人気少女漫画「青い瞳のジャンヌ」をこよなく愛する「青い六人会」。無様に飾り立てた中年女性たちが、互...
  • 2011.04.05 (Tue) 14:59 | 日だまりで読書