著者:犬村小六
空族のと休戦協定。その中で、イスラが要求されたのは、風呼びの少女ニナを引き渡すこと、だった。イグナシオの取り計らいにより、クレアと会うことが出来たカルエルは、そこである約束をする……
シリーズ完結編。
ツンデレさん、ありがとう!
なんか、前巻でいきなりその役割が上昇したと思ったら、物語の一番、大事なところを彼に持って行かれた気がするんですけど(笑)
物語は、ここ数巻、これでもかと描かれた戦闘の描写はなく、冒頭にも書いたとおり、空族との休戦協定から。戦いは終わったものの、クレア(ニナ)は、イスラを去り、イスラは当初の目的である空の果てへ。そして、その目的も見事に達する。しかし、そこにクレアはいない。カルエルがクレアとした約束。それは、何をしてでも、彼女を取り戻す。
一つの戦いが終わって、その後の動向を(多少、駆け足気味ながらも)描いた、という感じで、1巻がプロローグとするなら、今回はエピローグという印象。それでも、自らの正体を国に明かし、真顔で、仇敵であるはずのニナについて「愛している」と人々に語りかけてしまうカルエルは、すげぇ(笑) まさしく、これが彼の言う「何をしてでも」ということになるんだろう。最終的にどうなったのか、について、はっきりと描かない終わり方は、これで良いのだと思う。変に書くのは、野暮ってものだと思うし。
シリーズを通して考えた場合、壮大な形で物語が幕を開けた割に、いきなりツンデレさんが現れて美味しいところを持って行ってしまったり、カルエルとクレアが互いの正体を知って、というところが流れてしまったり、はたまた、今巻の最後で語られるアリエルの心情描写が弱かったり……と、気になる箇所はある。多分、『追憶』と比較してしまっているから、厳しく見てしまう、という点はあるにせよ。
そうはいっても、良質なシリーズであり、概ね満足、という感想に落ち着くのは確かだが。
No.2526

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空族のと休戦協定。その中で、イスラが要求されたのは、風呼びの少女ニナを引き渡すこと、だった。イグナシオの取り計らいにより、クレアと会うことが出来たカルエルは、そこである約束をする……
シリーズ完結編。
ツンデレさん、ありがとう!
なんか、前巻でいきなりその役割が上昇したと思ったら、物語の一番、大事なところを彼に持って行かれた気がするんですけど(笑)
物語は、ここ数巻、これでもかと描かれた戦闘の描写はなく、冒頭にも書いたとおり、空族との休戦協定から。戦いは終わったものの、クレア(ニナ)は、イスラを去り、イスラは当初の目的である空の果てへ。そして、その目的も見事に達する。しかし、そこにクレアはいない。カルエルがクレアとした約束。それは、何をしてでも、彼女を取り戻す。
一つの戦いが終わって、その後の動向を(多少、駆け足気味ながらも)描いた、という感じで、1巻がプロローグとするなら、今回はエピローグという印象。それでも、自らの正体を国に明かし、真顔で、仇敵であるはずのニナについて「愛している」と人々に語りかけてしまうカルエルは、すげぇ(笑) まさしく、これが彼の言う「何をしてでも」ということになるんだろう。最終的にどうなったのか、について、はっきりと描かない終わり方は、これで良いのだと思う。変に書くのは、野暮ってものだと思うし。
シリーズを通して考えた場合、壮大な形で物語が幕を開けた割に、いきなりツンデレさんが現れて美味しいところを持って行ってしまったり、カルエルとクレアが互いの正体を知って、というところが流れてしまったり、はたまた、今巻の最後で語られるアリエルの心情描写が弱かったり……と、気になる箇所はある。多分、『追憶』と比較してしまっているから、厳しく見てしまう、という点はあるにせよ。
そうはいっても、良質なシリーズであり、概ね満足、という感想に落ち着くのは確かだが。
No.2526

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