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(書評)はたらく魔王さま!

著者:和ヶ原聡司

はたらく魔王さま! (電撃文庫)はたらく魔王さま! (電撃文庫)
(2011/02/10)
和ヶ原 聡司

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世界征服まであと一歩に迫った魔王サタン。だが、その野望は勇者に打ち砕かれ、かろうじて異世界へと逃れる。たどりついたのは、現在の地球。日本という国の、笹塚。魔力が切れた状態で出来ること、それは……食いつなぐためのフリーター生活だった。ファストフード店マグロナルドでバイトをする中、追ってきた勇者エミリアと再会して……
第17回電撃大賞、銀賞受賞作。
物語は、異世界からやってきた魔王が、生きるためにバイト生活。それを追ってきた勇者も、派遣のテレアポ。どちらも、(特殊な能力があるとはいえ)優秀な人材として重宝がられ、どんどん物語のスケールは小さく……と。
最近、結構、こういう作品というのは多いような気がするのだけど、この作品に関して言えば、ネーミングセンスとか、やりとりとかが、妙にツボに入る、という印象。戸籍上の名前として、「真奥貞夫」というのを知った恵美(エミリア)の「今時の若者の名前じゃないわね」に対する……
「日本全国のサダオさんに謝れ!」
に大笑いした。
そんな、双方とも魔力を失った状態で、対立……と言いつつ、ある意味、痴話喧嘩レベルの争いをする魔王と勇者。そんな魔王を、バイト先の「素敵な先輩」と見る少女・千穂とのある種のラブコメ展開があり、そこへ、魔王・勇者、双方を狙う存在が現れ、対決して終わり、という新人賞作品らしい展開。ある程度、お約束の展開としても、テンポ良く進むので楽しく読み進めることが出来た。
魔王・勇者、両方を狙う存在の正体とかは、ある程度、予想がつく部分があるし、登場人物の容姿とか、戦闘中の描写とかが弱い、と感じる部分はある。ただ、容姿なんかは、ライトノベルであり、イラストがある、という前提で考えれば問題ないのだろうし、バトル描写が弱いのは、そこが主眼じゃないから、と考えれば許容範囲なのかな? とも思う(今後、その辺りが向上すれば、さらに良くなるとは思うが)
「良作」と言って良い出来だと思う。

No.2532

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