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(書評)ハロー・ジーニアス

著者:優木カズヒロ

ハロー、ジーニアス (電撃文庫 ゆ 3-1)ハロー、ジーニアス (電撃文庫 ゆ 3-1)
(2010/10)
優木 カズヒロ

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「僕には、キミが必要だ」 故障により、陸上の道を閉ざされた高行に勧誘の声がかかる。勧誘をしたのは、海竜王寺八葉。常識はずれの才能を持つ「ジーニアス」の一人。彼女が部長であり、唯一の部員である第二科学部に仮入部する高行だったが……
テーマ自体は悪くないと思う。
他人と付き合うのが苦手で、個人競技である高跳びにすべてを捧げながら、それを失った少年。それを執拗に追いかける天才少女。しかし、彼女もまた、天才だからといって先に進むことに対し、恐怖感を抱く一人だった。基本的に型破りな八葉に振り回されながらも、少しずつ、そんな八葉の苦しみというのを理解していく高行。
描写自体が非常に淡々としているのだけど、むしろ、焦っている、というよりも、ある種のあきらめを内包した二人を綴る、という意味ではこの文体でよいのではないかと思う。「やりたいこと」とか、何とか言うけど、実際、それが常にあるわけではないし、「何もしない」ことをしたい、とか、「動かない」ことを選択したい、という気持ちもあるわけで、そのあたりは理解できる。
ただ、正直なところ……
なんか、色々とある世界設定とかは、ほとんど意味がなくない? という気になる。
超少子化により、未成年でなければ働かなければならず、部活や学業の成績などで金が払われる、というようなシステム。普通の人とは文字通り「違う」存在であるジーニアスなんていうのがあるんだけど、そういうのって、物語にほとんど関与していない。徹底的に特殊な世界観を作らず、ごくごく普通の現代の学校で、という設定でも何の問題もないような気がするのだが?(高行は、そのまま怪我で部活を続けられなくなった運動特待生、八葉は学校一の秀才だけど変人……とかでも……)
また、女性キャラとかが何人か出ているのだけど、こちらも、これといった意味が感じられない人物が……。これは、続編を前提にしての伏線だろうか?
設定とか、そういうところで色々と損をしている気がする。

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COMMENT 2

シンズー  2011, 06. 27 [Mon] 21:13

こんばんは~。
自分もこの作品は読みました。
正直、1巻だけだと面白いのかそうでもないのか判断つかない気がしますよね。
1巻では活かされていなかった設定も2巻から活かされるのだろうか、なんて思いつつ未だに2巻には手が伸びていなかったり……。

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たこやき  2011, 07. 04 [Mon] 00:03

シンズーさんへ

本当に、1巻だけだと、という感想になりますよね。
とりあえず、1巻だけの感想だと、わかる、と思うところはあるけど……という煮え切らない感想になりました。
決して、出来が悪い、とは思わないのが、余計に悩みどころです。

私も2巻をどうしようか、と考えている最中です。
機会があったら……で、読まない、ということは、なるべくしたくない、とは思っているのですが……

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