(書評)本日は大安なり

著者:辻村深月

本日は大安なり本日は大安なり
(2011/02/26)
辻村 深月

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11月22日、日曜日、大安。県内でもトップクラスの人気と信頼を誇る結婚式場、ホテル・アールマティウェディングサロン。4件の結婚式が組まれたこの日、ここで色々と事件が起こって……
という形で、4つの結婚式に関する人々の物語が平行し、同時多発的に展開する。
とりあえず、主人公となるのは次の4組。一言で言わせてもらうなら……なんて、面倒くさい客ばかり集まっている日なんだ!!
ウェディングプランナーの山井多佳子。結婚式のプランなどを提案する仕事についているわけだが、担当した相手は、我がままで気まぐれ。ただ、これだけならよくあるのだけど、彼女にとって、相手の女性は、自分の婚約者を奪った相手(しかも、新郎はその相手ではない)
加賀山姉妹。一卵性の双子でありながら、姉妹として互いに複雑な思いを抱いていてすごした日々。そして、結婚式当日にある仕掛けを行う。……自分でも自覚しているみたいだけど、ややこしい(笑)
大好きな叔母の結婚式で、リングボーイという大役を仰せつかった少年・真空。けれども、新郎の、親族の間での評判は散々。しかも、ふとしたことを耳にして、心配でならない。
そして、「運命の人」と結婚したはずなのに、浮気をし、その挙句、既婚なのを隠してズルズルと結婚式まで……となってしまった陸雄。……正直、「こいつは……」という感じしかしない(笑)
これだけだと、かなり端折った説明になってしまっているのだけど、それでも、結構、面倒くさい面々がそろっている、というのはわかると思う。そして、そんな面々が互いに関連しあって物語は展開していく。
正直なところ、読み始める前までは、もっとドタバタ系のコメディっぽい話だと思っていた。ところが、上に書いたように、結構、深刻な設定だとか、そういうのがあり、やはり著者らしい心情描写が繰り広げられる。双子姉妹の話とか、かなりドロドロしているし。序盤、読んでいて、『太陽の坐る場所』とかで味わった疲労感なども味わった。そして、そのままか……と思わせておいて……
やっぱり、この結末は、「大安」だから、だよね。
とことん、悪くなるような予感を漂わせながら、しっかりとハッピーエンド。一部にはそれなりの制裁も加えられて(笑) まぁ、巧くいきすぎといえば、その通りなのだけど、これはこれで良いのだと思う。ドロドロとした、疲労感を感じる序盤を展開をさせながらも、しっかりと爽快感を感じる結末。結婚式、という舞台も合わさって、「良かったね」という言葉で感想を締めたい。

……あ、MVPは、真空くん、ということにしておこう。

No.2608

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COMMENT 1

高橋  2014, 08. 21 [Thu] 16:19

共感しました!

突然のコメント、失礼いたします。

初めまして
書評コミュニティサイト「本が好き!」を運営しております、高橋と申します。

ただ今、たこやきさんの書評を楽しく拝読させていただきました。
特に<本日は大安なり>は私も好きな本で
「MVPは、真空くん、ということにしておこう」
という一言に共感してしまいました。
小さいながらに果敢に戦う?姿が可愛くてかっこよかったです!!

話がそれてしまいましたが、
今回は、ぜひ私どものサイトにも書評を投稿していただきたい!!
と思いコメントをいたしました。

「本が好き!」には10万件以上(7割は400字以上の長文)の書評が投稿されております。
文学からビジネス、洋書までジャンルも様々です。
そして書評家さんの間の交流も盛んです。

私どものサイトを通じて、たこやきさんに、
趣味の合う方や思いもよらない素敵な本との出会いを提供させていただくことができたらと思っております。
お時間のあるときで構いませんので、一度サイトの方にお越しいただけると幸いです。

不明な点などありましたらお気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。


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【連絡先】
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