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(書評)偽りのドラグーン5

著者:三上延

偽りのドラグーン 5 (電撃文庫 み 6-28)偽りのドラグーン 5 (電撃文庫 み 6-28)
(2011/07/08)
三上 延

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レガリオン帝国が優勢な状況で進むセーロフ攻防戦。その最中、騎士学院では、ジャンが偽りの応じであるということが判明する。ジャンに対する処分が検討される中、ジャンが決断したのは、自分こそがヴィクトルであり、偽者であるジャンを討つ、というものだった……
シリーズ最終巻。
ちょっと駆け足気味だけど、最後まで、タイトルの意味を考えさせられる作品だったと感じる。
冒頭のところでも書いたけど、これまで、ヴィクトルと自らを偽って学院にいたことがバレてしまったジャン。そして、本物は、レガリオンにいる仮面の男、ということも。ところが、ジャンが決断したのは、自分こそ本物のヴィクトルで、レガリオンにいるのは自分の名を騙るジャンだ、という主張。つまり、完全に入れ替わってしまおう、というもの。
ジャンは偽者であり、いつかはバレるのでは? という心配の下で進んでいたのが発覚したとき、「向こうこそ偽者だ」としてしまう。ある意味では、物凄い開き直りではあるのだけど、それを貫いたからこそ『偽りのドラグーン』というシリーズ名にも繋がるのだろうと思う。
さらに、タイトルの意味、という点で言うと、ヴィクトルの側にもあったことが判明。
結局、すべてが偽りにまみれており、その中でヴィクトルとジャンは対立せざるを得なかった、というのは何とも皮肉な話である。決着をつけざるを得なかった、というのも仕方がないのだろう。
偽りにまみれながらも、しかし、本物のドラグーンになったことも事実なのだから。
4巻から本格的に始まった戦争を中心にしながら、兄弟の対決にしっかりと決着をつけた、という点は評価したい。
ただ、その一方で、ジャンとティアナ、クリスという三角関係のほうは、これで良いの? というような決着。変にラブコメ展開に持っていかれても、それはそれで困るのだが、だからといって、まるっきりそれを放っておかれたような決着には、何か物足りなさを覚える。そこがメインではないのだから、といえば、それまでなのだが。
でも、何だかんだ言いながら、最後まで楽しめたシリーズだったな、とは思う。

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