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(書評)県庁おもてなし課

著者:有川浩

県庁おもてなし課県庁おもてなし課
(2011/03/29)
有川 浩

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高知県庁に発足した「おもてなし課」。その最初の仕事として、県出身の著名人に観光特使を依頼する。そんな中、若手職員・掛水のもとへ、観光特使となった新鋭作家から、連絡が入って……
「おもてなし課」って、観光行政についての話だったのか。
全く前情報とか、そういうものを持たずに読み始めたので、「おもてなし課」って何? 誰をもてなすの? もしかして、接待専門部署? とか、自分でも無茶苦茶な想像をしていた。
ということで、県庁の若手職員である掛水が、高知の観光を盛り上げるため、奮闘する話。
「これだからお役所仕事は」
吉門の言葉として何度も出てくる言葉だけど、とにかく、吉門らの感覚と、掛水らの感覚の違いが強調される。セクションごとのルールがあり、互いの連携に時間がかかり、そして、慣習というものに支配されざるを得ないシステム。これはこれで必要な部分はあるのだけど(作中で、足を引っ張る要素として出てくる公正さ確保だって、役所の性質を考えれば重要なこと)、こと、柔軟性などが求められる観光などに関しては邪魔者になるよなぁ……と素直に納得。
そんな感覚に若手とはいえ、使ってしまっている掛水が、吉門、コンサルタントの清遠らににダメだしをされながら奮闘していく、というのはなかなか楽しかった。特に、吉門、清遠の掛水操作術が巧妙(笑) 清遠が、元県庁職員ということもあるのだろうけど、最初から感覚そのものが違うのだ、という中で、時に懇切丁寧に教え、時に突き放して実感させて……と、だんだんと意識改革をしていく。その辺り、緩急がしっかりとしていて、飽きることなく読みすすめることが出来た。何だかんだで、だんだんと掛水、そして、おもてなし課の面々が、自分たちで動いて、企画して、となるわけだから、成長物語といえるのだろう。その部分を存分に楽しんだ。
その一方で、著者の作品らしく、恋模様も。
民間の感覚を、ということでバイトから助手として抜擢された多紀と掛水。過去のこともあり、掛水ら県庁の面々を憎む清遠の娘・佐和と吉門の。どちらも甘い(笑) ただ、個人的には、上に書いた成長物語的な部分が楽しかったので、こちらはあまり重視しないで読んだ。特に、吉門と佐和の事情については、色々と作りこみすぎかな? と感じてしまった部分もあるので(それが良い、という意見はわかるのだが、個人的な好みからは外れていた、ということ)
最後に、巻末に実際のおもてなし課の人々との対談とか、地方自治体の観光PRとかがあるんだけど……そこまで読み終ったら、これが小説だか何だかわからなくなってきた(笑)

No.2662

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  • 2011.09.16 (Fri) 21:45 | 日々の記録
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