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(書評)逃亡作法

著者:東山彰良

逃亡作法 TURD ON THE RUN 宝島社文庫逃亡作法 TURD ON THE RUN 宝島社文庫
(2004/03/16)
東山 彰良

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人権問題から死刑が廃止された近未来。犯罪者はマイクロチップを埋め込まれ、脱走した際には、電波によって作動するチップにより失明してしまう。こうして、脱走のリスクは減り、また、万一脱走しても犯罪がしづらい状況が出来上がった刑務所は「キャンプ」と呼ばれるようになっていた。だが、それに不満を持つものが復讐のためにキャンプへきた瞬間に…。
第1回『このミス』大賞銀賞読者賞受賞作。
正直に言うと、こういう作品だとは思っていなかった。特殊な技術によって支配された刑務所。その刑務所からの脱走…という作品なので、それをかいくぐるのか、復讐を狙う者、脱走を防ぎたい勢力の三つ巴の対立…みたいなものを考えていたのだけれども…。
主人公は、台湾国籍を持つツバメ。そして、キャンプで暮らす犯罪者たち。韓国人、中国人、誰からも嫌われる連続幼女殺害犯の川原、麻薬で利益をあげた組長・菊地…などなど…。その中には派閥争いもある。そんなときにやってきた復讐者による混乱に乗じた逃亡。いつ、失明のための電波が発せられるか、迫る警察に復讐者。そんな中、小競り合いをしながら日本からの逃亡を図る…というもの。どちらかと言うと、その様々な勢力が入り乱れながらの逃亡…という方がメインか。その入り乱れての部分は、多少、ゴチャゴチャするものの面白い。
ただ…正直、それだけ大きなシステムを要求しながら直接的な脅威としてあまり機能していない点がまず残念。国会の承認が必要で、なかなか動けない…というのはリアルともいえるんだけど…。それから、具体的な地名とか途中まで殆ど出ないため(なんか、九州っぽい、とはわかるが)、あまり状況が掴みにくい。蛇頭を使って逃走するとか、そういうプランが出てくるのだが、ならば余計に地名とかがあった方が理解しやすかったのではないか?(何故か、終盤になると地名が沢山出る) そして、先にも書いたようにちょっとゴチャゴチャしていると感じる点(ちょっとわかりづらい)。この辺りがもう少し整理されていれば、もっとよかったのにな…と言う風に感じた。

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COMMENT 2

青7中押し  2008, 03. 19 [Wed] 04:35

初めまして~

懐かしいですw
これを読んだのは3年以上前だったでしょうかね。
「どうやって脱走するのか?」をメインに進めていくのかと思ったら脱走自体はあっさりできて、その後がメインなんですよねw(確か)

ほとんど忘れてますので漠然としか言えませんがこれは文章が微妙に読みにくかった(疲れる)覚えが・・・?

1000冊以上読んでるなんて凄いですね!

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たこやき  2008, 03. 20 [Thu] 15:21

青7中押しさんへ

こんにちは~。はじめまして。

>「どうやって脱走するのか?」をメインに進めていくのかと思ったら脱走自体はあっさりできて、その後がメインなんですよね
ですよね(笑) もっとも、日本から脱出しないと…完全に脱走が成功した、とは言い難いのも確かなのですが…ちょっと予想外でした。

>文章が微妙に読みにくかった(疲れる)覚えが・・・?
それは少し感じました。ちょっとクセのある文章ですよね。人物の多さもあって、余計に、ゴチャゴチャした印象が強くなってしまった感じがします。

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