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(書評)帰宅部のエースくん。

著者:ハセガワケイスケ

帰宅部のエースくん。 (電撃文庫)帰宅部のエースくん。 (電撃文庫)
(2011/04/08)
ハセガワ ケイスケ

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とある事情で、エースであった野球部をやめ、東京の八光学園に編入したオレ。だから、部活をやらずに、まっすぐ帰ることにした……矢先、背後から見事なドロップキックをかまされる。キックの主は、キラキラの美少女。そして、彼女はこう告げた。「エースくん、帰宅部に入って」と。
読んでいて、頭に浮かんだ計算式。
「涼宮ハルヒシリーズ」-「SF要素」=「本作」
なんで、そういう風に思ったのか、というと、かなり傍若無人で、周囲を振り回す帰宅部部長のスミレのキャラが、ハルヒのそれに似ているように感じたため。「非日常」な出来事を求めるハルヒ。「楽しいこと」を求めるスミレ。そして、両者はともに「SOS団」、「帰宅部」という何をするんだかさえよくわからない部活を作り、主人公を振り回す。この辺りが共通している、と感じたため。
ただ……正直なところ、そのところが似ていると感じた分、ハルヒよりも……と、マイナスな印象になってしまう。
というのは、結局、主人公が帰宅部の活動に加わる動機が物凄く弱い。
『ハルヒ』の場合、ハルヒは自分で願ったことを神の力で実現してしまう能力がある、という設定だから、世界を守るため(?)にも従わざるを得ないのだけど、本作の場合、ただただ主人公が巻き込まれてひどい目にあったりしながら、でも、楽しそうなスミレをみて「良いか」と許しちゃう、というのが続くだけ。なんで、それで許せちゃうの? とどうしても思う。まぁ、出会いで、いきなり(文字通り)ツバをつけられたりとか、そういうお色気方面で意識している、というのならば、そういうのをもっと掘り下げて欲しい。部活動の勧誘とか、そういうところでの注目度から言っても、クラスでも浮きまくった存在になっているはずだし……。ぶっちゃけ、自分だったら、絶対にごめんだもん、こんな人たちと付き合うの(笑) 同じように、ヤン先輩、ナンシー先輩、はにこと言ったほかの面々についても、ほとんど言及がないまま、便利な駒のような扱いになっているのも気になるところ。
何か、全体を通して、グダグダとしたまま終わってしまった、という感じばかりが残った。

No.2698

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