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(書評)バベル

著者:中田明

バベル (電撃文庫)バベル (電撃文庫)
(2011/09/10)
中田 明

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国家が解体し、連邦制となった日本。犯罪者と異国人が溢れるようになった関東州。英国女王がやってきたクリスマスに2つの事件が起こる。1つは、女王に献上されるはずだった国宝の盗難事件。1つは、地下社会を牛耳るマフィアの政略結婚を前にした、令嬢誘拐事件。ともに、解決までのリミットは24時間。様々な勢力が動き出して……
雰囲気は好き。
だけど、かなり物語の作り方とか、キャラクターの配置とかはぎこちない。主な登場人物には、あまり、物語に絡んでいなかった、みたいなのも多いし。正直、元マフィアの大邸宅の使用人・シュンペータ、探偵のロギー、治安官のリズの3人以外は、あまり掘り下げ自体がされていないとすら感じる。シュンペータと一緒に動くことになるお嬢様・ユリとか、キャラクターがあっちこっちに動いて「?」と感じるところとかもあった。
ただ、そういうのを差し引いても、この雰囲気が好きだな、という感想を挙げたい。
とにかく、登場人物がそれぞれ、自分勝手なロクデナシども。特に、リズ辺りは、治安官(警察官みたいなもの)なのに、全くのロクデナシで大笑い。エマニエル夫人を口ずさみながら街を歩くなよ。あと、ジンさんに性的ないやらしいことをさせるとか想像するな! 大笑いしてしまったではないか。彼女が多分、一番のロクデナシだと思うのだけど、マフィアの面々とかもしょーもないし、その乾いた笑いを伴った作風っていうのが気に入った。
そんな中で、ロギーが対決することになる怪盗ドリーとの対決とかはひねりが効いているし、マフィアの騒動の実も蓋もない決着もおいおいという感じで楽しめた。
最初にも書いたように、まだまだ、洗練されていないところが多く、それを突き進めれば、さらに良い作品になるんじゃないかと思う。そこを期待して、次回作も読みたいな、と思う。

No.2725

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