FC2ブログ

(書評)極点飛行

著者:笹本稜平

極点飛行 (光文社文庫)極点飛行 (光文社文庫)
(2008/02/07)
笹本 稜平

商品詳細を見る


南極大陸への物資輸送を手がける飛行機パイロットの彬。彼の元に入った依頼は、チリの富豪であり、道楽半分の南極研究を手がける「アイスマン」ことシラセからの怪我人の搬送。依頼を受け、飛び立った彬だったが、搬送中、何者かの妨害を受ける。そして…。
うーん…著者お得意の国際謀略小説と言ったところだろうか。南極大陸で何かをしているアイスマンたち。そのアイスマンを妨害する組織。その目的はナチスの隠し財産…。なんていうかなり荒唐無稽なところから始まり(彬だって、おいおい、という感じで対応する)、やがて、ナチス・ドイツの残影、南米の軍事独裁政権と、そういう勢力を反共の盾として用いてきたアメリカ…。複雑な南米の情勢を背景にして物語を広げていく辺りは流石、と思わせる。また、実のところ、序盤はちょっと「うーん」と言う感じだったのだが、そういう部分が明らかになるにつれ、どんどんノってきた感じもある。アイスマンの立ち居地も、独裁政権のスポンサーと言えばその通りなのだが、このような情勢下で生き残る最善の方法を取ってきただけ、ともいえるわけだし…。そして、終盤の危機に次ぐ危機へと…。
もっとも、このことを逆に言えば、ちょっと序盤は弱い感じだし、また、終盤の危機に次ぐ危機は面白いのだが、多少、そこからの脱出とかを含めてご都合主義かな? と感じるところはある。その辺りまで来ると、勢いで読まされてしまうわけだが…。
細かく見れば欠点も見えてくるのだが、南米の国際情勢を中心にした入り組んだ組織、人間のやりとりは、著者ならではだな、と感じる。

通算1192冊目

にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト



COMMENT 0