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(書評)ネオカル日和

著者:辻村深月

ネオカル日和ネオカル日和
(2011/11/25)
辻村 深月

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毎日新聞夕刊の連載「日本新カルチャーを歩く」を中心として、様々な媒体に掲載されたコラムと、短編小説をいくつか集めたエッセイ集。
第1章が、毎日新聞の連載であり、その後、第2章は「本と映画」について、第3章は「藤子・F・不二雄作品」について、第4章に短編小説4編、第5章が「日常的なこと」について、というような構成になっている。
これまでも、著者の作品の感想などで記していたことなのだが、私と著者というのは同世代の人間である。そして、東京を挟んで方角は違うものの、情報とかは東京のものが殆ど変わらずに入手できるものの、明らかに東京とは別世界という地域で生まれ育った、という共通点がある。性別は違うけど、作中で取り上げられているトピックスなど、同じような年齢で、同じような体験をした、というのがあり、それを思い出しながら読んだ(もっとも、小学校時代に、一人で映画に行った、などというのを読むと、著者は私などよりよほど都会育ちなのだな、と感じざるを得ないのだが(笑))
正直なところ、毎日新聞連載の第1章は、あまり面白くなかった(ぉぃ) というのは、エッセイというよりも、商品などの紹介記事のように思えてならなかったから。
例えば、『ポケットモンスター』について。96年に発売され、その後、どんどんシリーズを重ね、ゲームだけでなくアニメ、その他、様々な形でメディアミックスされている、というのはご存知の通り。それ自体は良いのだが、その概要紹介と社長の言葉が載って、こうなのだ、と締められるだけで著者がどうポケモンと関わったのかなどがほとんどない。これは、私の好みの問題かも知れないが、作家のかくエッセイなのだから、概要とかより、その作家の見方とか、考え方とか、そちらが読みたいのである。それがないため、第1章はあまり面白いと思えなかった。
そのため、第1章を読み終えた時点では、「外れかな?」と思ったのだが、第2章以降になって一気に面白くなった。
著者が、自分の好きなものなどについて語る。経験談などを語る。著者が、自分自身をコレクター気質とか、オタク気質とか言っているのだが、私自身もそうなので、自分があまりよくわからないものでも、熱く語っている様が何か微笑ましくて、楽しく読めた。特に、第3章の藤子・F・不二雄作品について語っている辺りは、「端々から熱烈なファンです」、というのが伝わってきて良かった。また、第5章の中にある方言の話。東京に近く、きつい方言とかがあるわけではないからこそ、ほんのちょっとのところで違いを感じてしまう、なんていうのは私も動揺の経験があり「うん、うん」と感じた。そこから、まさか、「シャアが訛っている」という方向に話が進むとは思わなかったけれども(笑)
著者の作品って、小説そのものは、結構、どんよりとした気持ちになるものが多いのだが、今回のエッセイを読んでいて、そうではない、明るいトーンの話もたまには書いてもらいたいな、というのを思った。

No.2827

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COMMENT 2

苗坊  2012, 03. 29 [Thu] 22:47

こんばんは^^
ポケモンのくだりはポケモンだ!懐かしい!と思いあまり深く考えずに読み進めていた気がします。
私も初期のはやっていたので^^;
でも、やはり本や映画、そしてドラえもんの話は深くてマニアックで辻村さんらしさが出ていたなと思いました。大山さんとお会いしたなんて羨ましいです。
私もオタク気質なので楽しんで読みました。
私は東京近郊どころか最北の孤島に住んでいるので普通にへーと思いながら読んでいた気がします^^;
私も辻村さんの明るい話を読んでみたいです。
新刊が児童書なのが気になるところです。

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たこやき  2012, 04. 02 [Mon] 09:20

苗坊さんへ

こんにちは。
第1章は、ちょっと物足りなかったのですが、2章以降は、辻村さんらしさが溢れていましたよね。藤子さんの作品を語るところ、さらに、大山のぶ代とのくだりは、純粋に「楽しそう」というのが伝わってきました。

>最北の孤島
って、札幌じゃないですか(笑)
というか、あまり北海道って、方言とかのイメージがないのですが、どうなんでしょう? その辺りでは、似たようなところがあるんじゃないか、なんてことを思うのですが……

辻村さんの児童書っていうのも気になります。
やっぱり、どろどろとしていたらどうしよう……(笑)

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