fc2ブログ

(書評)断鎖 Escape

著者:五條瑛

断鎖(Escape) (双葉文庫)断鎖(Escape) (双葉文庫)
(2004/04)
五條 瑛

商品詳細を見る


「お前のため」の言葉で何かと自分を束縛してきた両親に反発して家を飛び出した亮司。現在は空路と、「本物の」パスポートを使った密航組織で下働きをしている。そんなとき、密航者の一人が行方をくらませ、その追跡に向かうことに。その際に出会った謎の男から、「個人的な」仕事を誘われ…。
「R/EVOLUTION」、「革命」シリーズ第1弾。
プラチナ・ビーズ』などの鉱物シリーズと並ぶシリーズである「革命シリーズ」と言うことで、ちょっと気合を入れて読んだのだけれども、本作に関して言えば、文字通りにプロローグ、という感じだろうか。物語そのものは、具体的なところへは踏み込まず、亮司の成長、そして、サーシャとの出会いというものが描かれたのみ、というところだろうか。
冒頭のところにもちょっと書いたけれども、両親の束縛から逃れたいと願う亮司。20歳を越え、法律上は色々と出来るようになったものの、全くその束縛感から脱せたようには思えていない。そんな亮司の葛藤の中に、亮司の働いていた会社に対する襲撃、亮司を追う複数の組織に、その中で出会う密航者や会社の仲間とのやりとりが入り、少しずつ成長していく。
そんな亮司の成長物語、というのが、やはり本作のメインに来るのだとは思うが、その一方で、会社内にいたと思しき裏切り者探しなども加わって非常にスリリングな物語になっている辺りは流石。シリーズ1作目ではあるけど、1冊の青春小説としても十分に完成されているのではなかろうか? 勿論、シリーズのカギとなるであろう、謎の男・サーシャの紳士的で、大胆で、冷酷で…という不可思議な魅力も良い味になっている(この人も、『プラチナ・ビーズ』に出ていたね…そういえば)
まぁ、その裏切り者探しなどに関して言えば、ちょっと醒めた目で見ると、すぐに「こいつだろう」と言うのは想像が付くのだが、亮司の成長物語の中のスパイスという感じで、それほど欠点だとは思えなかった。
上にも書いたが、シリーズ第1作目、ということで、全くその核心には迫っていないが、それでも十分に今後を期待させるだけのものがあると思う。

通算1194冊目

にほんブログ村 本ブログへ


http://xxxsoraxxx.blog11.fc2.com/blog-entry-501.html
スポンサーサイト



COMMENT 2

そら  2008, 03. 31 [Mon] 23:11

うんうん、亮司の成長物語でしたね~。

ここら辺、結構共感できる人も多いのでは…と思う今日この頃。

>まぁ、その裏切り者探しなどに関して言えば、ちょっと醒めた目で見ると、すぐに「こいつだろう」と言うのは想像が付くのだが

そうなんだよね~。な~んで分かんないかなぁと、それも亮司の若さに思えて、うまいなぁと私も思いました。

早く新しいのが出ないかなぁ(*^_^*)

Edit | Reply | 

たこやき  2008, 04. 02 [Wed] 00:23

そらさんへ

こんばんは~。

>な~んで分かんないかなぁと、それも亮司の若さに思えて、うまいなぁと私も思いました。

ですね~。それが亮司の若さ、一途さ、という風に読者は好意的に解釈してしまうんですよね。勿論、計算をしてのことでしょうけど、上手いですよね。
このシリーズ、全10作予定、ということでまだ完結していないわけですが、私の場合、まだ既刊だけでも沢山残っているので、それを楽しみながら新作を待ちたいと思います。

Edit | Reply |