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(書評)サイバーテロ 漂流少女

著者:一田和樹

サイバーテロ 漂流少女サイバーテロ 漂流少女
(2012/02/16)
一田和樹

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ソーシャルサイバーセキュリティのプロ・君島。彼の元に舞い込んだのは、行方不明になった息子を探してほしいというもの。畑違いの仕事と思いつつも、コンピュータに強いという息子を探すことに……。そんな頃、WEB上では、相次ぐ事件の中、あるセキュリティソフトの存在がクローズアップされる……
檻の中の少女』の続編。前作は、技術ではなくて、誘導であるとか、そういうものによって相手の情報を得たりする、という方向を強調していたが、それと比べるとかなり技術的な話が増えたように感じる。勿論、技術的な知識なしにセキュリティは語れないし、だからといって、ただ技術があるだけでも落とし穴に落ちる。その意味で、前作と本作で車の両輪のようなものになっているのだろうと思う。
そんな中で、今回はかなり、普段使っているようなネット界隈の脆弱さなど、「情報小説」としての面白さが出ているように思う。多くの人々が使っているツイッター。しかし、他者とのつながりなどを重視した分……といった落とし穴。WEBと接続し、メールなどの危険をチェックするセキュリティソフト。しかし、それは逆に言えば……。そういう指摘になるほど、と思うところ多し。そして、それらを利用したサイバーテロというのは、現実的な脅威として有り得るのだろう、という風に思わせてくれる。
と、同時に、そういう「情報」を目にしながら、ミステリらしいひっくり返しへの伏線を張っているのも上手い。情報小説の情報が、しっかりと目くらましになっている。そういう(小説としての)技術面にもしっかりと唸らされた。
まぁ、前作と比較をすると、犯人の心境などが軽く流されてしまったな、という印象。いや、「エピローグ」と呼ぶには、あまりにも長すぎるエピローグによって、犯人の人生を描いた前作が異常だ、というのは間違いない。でも、それまでの情報とか、そういうものと比べるとあまりにもありきたりな印象になってしまうのだ。逆に、そういうところを弱くすることで、情報小説の部分を強調したのかもしれないが。
なんか、引っかかったところ、というより、揚足取りみたいになってしまった(苦笑) いや、別にフォローのつもりとか、そういうのじゃなくて、本作も面白かった、と言える。本当だよ(笑)

No.2897

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