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(書評)ブラッド・スパート3 殉難者たちへの鎮魂歌

著者:六塚光

ブラッド・スパート 3 ――殉難者たちへの鎮魂歌 (幻狼ファンタジアノベルス)ブラッド・スパート 3 ――殉難者たちへの鎮魂歌 (幻狼ファンタジアノベルス)
(2011/12/28)
六塚 光

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ビアズリー事件によって追われる立場となったトロイ。かつての仇敵であったダンテと行動をする中、同時多発的に事件が引き起こされる。そして、トロイの前に現れたのは……
シリーズ最終巻。うん、なんか、収まるべきところに収まった、という感じ。
物語の構図というようなものは、第2巻の中で大筋は見えていた状態。その中で、本格的に動き出す敵の存在と、その中で窮地に立たされながらも味方の協力もあって、それを脱していくトロイたち。(これまでの伏線の回収はあるが)過去2作のような謎解き要素、というよりもアクション方面、そして、主人公の葛藤というところを強調したように感じた。
その上で、あとがきの言葉にもあるのだが、「戦争の影が物語の背景を彩っている」というのがわかる。
かつての仇敵同士であったトロイとダンテの関係。現在まで続くトロイとビアズリーらの因縁。さらに、トロイがアールに隠していたのは、戦争の、悲惨な状況を伝えたくなかったから、というものだし、それが巡りめぐって……となっていく。さらに、物語の核となるブラッドアルシナの存在も……。第1巻の時点では、世界観そのものになかなか入り込むことが出来なかったのだけど、トロイらのキャラクターなどもあって、だんだんと楽しくなっていった。
ある意味じゃ、綺麗過ぎるほどに綺麗な結末。でも、その結末だからこそ、この満足感を得ることが出来たのだろう、というのがわかる。トロイとアール、フェルメリア、ダンテ、フロゼル、ギャノン……多分、こいつらはこのまま、またしても色々な珍道中を繰り広げていくのだろうと思う。そういう余韻も含めて楽しかった。
考えてみれば、『死んだ女は歩かない』シリーズ(牧野修著)も、同じように、同じように綺麗な終わり方をしていた。この幻狼ファンタジアノベルスって、そういう方向性で進むのだろうか?

No.2902

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