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(書評)恋物語

著者:西尾維新

恋物語 (講談社BOX)恋物語 (講談社BOX)
(2011/12/21)
西尾 維新

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暦を守るため、撫子と「約束」をしたひたぎ。その約束の命日が迫る中、彼女が選んだ手段とは……
セカンドシーズン最終巻、という割に、「あれ? あの人は?」とか思うところが色々残っていたのは、まだファイナルシーズンが残っていたからなのか!! というか……ある意味、びっくりな物語だったよ!!
というのも、本作の語り部は、貝木。そう、冒頭にかいたひたぎが取った「手段」というのは、貝木に、撫子を騙すように依頼する、というもの。そして、その展開を貝木の視点から綴っていく。
まぁ、そういう感じの話なので、大きな物語がまとまった、感は実は少ない。その一方で、貝木の人間性が掘り下げられたところとか、はたまた、『囮物語』とはまた違った形で撫子についての評価が見えるなど、というのが見所になっているのかな、というのを感じた。
貝木の人間性については……実は、必要以上に露悪的な人間だ、っていうことになるんだろうか?
ここまで、ひたぎの家を崩壊させた張本人、とか、中学生を相手に大規模な金儲けを狙った……などなど、多くの話があったわけだし、また、実際、詐欺師なので善人であるはずがない。でも、ひたぎを巡っての過去では、口では色々といっても、ひっそりとひたぎの仇をとるような行動をしていたり(無論、そこで利益は得ているが)とか、とにかく自分の行動を露悪的に語るんだな……と感じた。本当に……このっ、ツンデレさんがぁあ!!(マテ)
一方で、そんな貝木の目に映る撫子。
『囮物語』の結末で描かれた撫子の、自分のところだけしか見ていない様子。撫子視点でも、そして、作中で描かれる暦やひたぎから見ても幼さばかりが目立つ。まして、第三者であり、年上である貝木から見ると、ますます、それが強調される。その様子が強く感じられる。
それだけに、その解決についても、その幼さゆえ、というところをついたものとなる。ある意味では、詐欺師らしい、派手な策略とかではなく、口先だけの解決ではある。でも、そもそも、詐欺とばれてはいけない。そして、事態を抑えねばならない。それを考えれば、この結末が唯一の方法なのだろう。そして、貝木だからこそ出来たのだろう、ということもわかる。
シーズン最終巻、という位置づけで考えるとこれで良いの? とも思うのだが、その先入観なしで読めば、十分に面白かった。

No.2923

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