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(書評)さくら荘のペットな彼女6

著者:鴨志田一

さくら荘のペットな彼女〈6〉 (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女〈6〉 (電撃文庫)
(2011/12/10)
鴨志田 一

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「さくら荘は、今年度限りで廃止」 理事会が出した結論に、寮生は戸惑う。そして、それを撤回すべく、署名活動を開始するが、そんな中、廃止のきっかけは、ましろであったことが判明。龍之介は不参加、美咲と仁はまもなく卒業。さらに、七海のオーディション結果の発表に、空太のコンテストも迫る……
「一区切り」
まさしく、そんな言葉で表すことが出来る話。物語としては、冒頭に書いたとおり、さくら荘の廃止を撤回すべく、署名活動をする中で様々なことが発生していく、という話。時期的にも、美咲、仁が卒業という結末が待っているために、区切りの時期を迎えるし、七海や空太の活動にもひとつの区切りがつく。本当に、すべてがひとつの結末を迎えるのだ。
ぶっちゃけ、これで最終巻にしません?(ぉぃ) いや、既に7巻は手元にあるんだけど。
まぁ、何というか……
この巻に関しても、間違いなく言えるのは、暖かさとほろ苦さの組み合わせが絶妙だな、ということ。
さくら荘の危機という中で、自分の方にも集中できない空太っていうあたりの描写は、自分自身のことをすごく重ねた。誰でもそうなのだろうけど、「しなくちゃ」と思えば思うほど出来ない。そして、思考停止をして逃げようとしてしまう。勿論、それで上手くいくわけが無い、のはそうなんだけど……自分自身、そういう風になることがあるだけに、凄くその部分に私は強い印象を抱いた。
そんな風に、物語の中には、色々と危機が訪れるのだけど、ずばり、全部が上手くいくわけではない。いや、むしろ、失敗の方が多いくらい。けれども、その辺りが物語にリアリティを感じさせるし、また、そこから這い上がろうとする姿に「青臭さ」「若さ」「夢」そういうものを感じさせる。徹底的にそれを追求してくれたな、と思う。そして、それを踏まえた上での、卒業式は……ある意味、予定調和なのだけど、それでも良かった。
確かに。まだ「未完成」なところが残されているわけだけど……それを、蛇足とさせない形の結末にしてくれること、期待していますよ、鴨志田さん!

No.2949

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