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(書評)週末のセッション

著者:伊園旬

週末のセッション (ミステリ・フロンティア)週末のセッション (ミステリ・フロンティア)
(2012/06/28)
伊園 旬

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月曜日、4人の男たちに、それぞれ災難が降りかかる。それを回避するためには、大金が必要。彼らは、そのためににわか仕込みの罠を張り巡らせる。それぞれの罠が成就するはずの週末に彼らを待つのは……
元々は、「このミス」大賞の最終選考作品であったものを改稿したものとのこと。
うーん……内容紹介で語られる「傑作」というのはどうかと……。
物語の設定とか、着眼点とか、そういうのは面白い。主人公は4人の男。自分で売った株についての重要情報が入り、インサイダーの危機に陥ってしまう証券アナリストの船越。それを回避するには、その株を買い戻すしかない。一卵性双生児の弟が自分の名で借金を作ってしまった設計事務所代表の大牟田。解決には金がいる。ふとしたことで、アンティーク高級車に傷をつけてしまった江口。その代金は数千万円。妻から突如、離婚を切り出された調査会社所長の妹尾。未練のある妻との思い出の詰まったマンションを渡さずに済ませるにはやはり金が……。そんな事情が絡んだ男たちが、それぞれがそれぞれを罠にかけようとする。具体的には、船越→大牟田、大牟田→江口、江口→妹尾、妹尾→船越、という構造で。それぞれが首謀者であり、標的でもある。その構造でどうなるか……というので興味を惹かれる。
……のだが、正直、どうにも盛り上がりに欠けた。
まず、構成の問題として、スタートをしたあと、主人公それぞれが別々に火曜~金曜と時系列が語られてしまうこと。そのため、アッサリと狙いとかがわかってしまう、ということがいえる。また、標的としての部分については殆ど触れられないため、なんか物凄く無理やりな感じになってしまっているのだ。だから、どうにも違和感を覚えてしまう。
さらに、その作戦をいざ……という週末で、どうにも腰砕けな形で終わってしまう。いや、その上で、「実は……」というひっくり返しはあるのだが、それはそれでご都合主義だし……。
まぁ、それがあるから「クライム・コメディ」と評しているのかな? なんか、好き嫌いが分かれそうで、個人的には、引っかかる部分が多いのだが……

No.2954

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