(書評)星を撃ち落とす

著者:友桐夏

星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)
(2012/06/28)
友桐 夏

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津上有騎、水瀬鮎子、長岡茉歩、葉原美雲。少女たちの人間関係、感情が交差したとき、ひとつの悲劇が起こる。嘘をついていたのは誰か?
一応、長編ではあるのだが、3章に分かれ、それぞれがひとつの謎解きとしての解決案が用意されている。ちゃんと、それぞれが繋がっているのだが、何と無く短編集のような印象を与えるのだ。
ともかく、その中で、物語の中心となるのは、4人の少女たちの性格と葛藤。どろどろの人間関係、というのは、別に著者の作品の中でもあるのだが、本作の上手いところは、決して大きな事件があるわけではないこと。つまり、表面上は日常的な描写でありながらも、その中で性格の不一致やらで何と無く居心地が悪い。そんな雰囲気が独特に感じられた。
さらに、各章が終わるごとに反転する構図というのも上手い。それぞれで、「嘘」が絡んでいることで、しっかりと伏線になっているのだから。そして、タイトルの意味にも納得。確かに、「星」が意味するもの……『三国志演義』の話とか、そういうのが伏線になっているとは思わなかった。そういうやり方が上手かったと思う。
ただ、読み終えてみると、自動車事故のエピソードなどはちょっと消化不良気味。それが伏線としての意味を持ち、また、それぞれのキャラクターを掘り下げるための道具となっているのは確かなのだが……
それはそれとして、本作の中で出てくる心理テストがある。無人島に流れ着いたあなた。持って行くことが出来るなどには特に制限は無く、水、食料などは生活をするのに問題ないくらいにある。ただし、救助にくる、ということは期待薄。さて、このとき、あなたはどう過ごす? というもの。
それぞれのキャラクターの性格などを示す道具になっているのだが、当然、私も考えてみた。その回答は……
え~っと……
ひたすらグダグダと自堕落に過ごす!
というものでした。だって、そんな状況であくせくしても仕方が無いじゃないか! そう思うもん……本当に。
……あ~……そんな生活がしたい。
……話が激しく横に反れたので、このあたりで感想は終了。

No.2962

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