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(書評)水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係

著者:麻見和史

水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係 (講談社ノベルス)水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係 (講談社ノベルス)
(2012/05/08)
麻見 和史

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木場で発見された塾講師の他殺体。ラッカースプレーで真っ赤に染め上げられた部屋という異様な状況がある中、奪われた現金という側物的な状況がある一方で、綿密に持ち去られたものがある。そして、屋外に放置されていた被害者の遺体。如月塔子は、コンビを組む鷹野とともに捜査にあたるが、その直後、都内では爆破事件が発生する。さらに、その混乱の中、次なる殺人が起こり……
警視庁捜査一課十一係シリーズ第3作。
本作の感想を一言で言うと「良くも悪くも無駄が無い」ということになるだろうか。
冒頭に書いたような、木場で起きたチグハグな殺人事件。それと同じように発生する爆破事件。メインとなる事件のチグハグさの理由など、事件そのものは魅力的。また、二つの事件が関わりあうのだろう、という予想はそのとおりになるのだが、それぞれがテンポよく展開しており、そのスピード感というのは非常に良いと思う。犯人視点の部分も含め、ヒントがしっかりと表示されているのも良いと思う。
ただ、その一方で、分量の問題もあって、もっと盛り上がるだろう部分がアッサリと感じたのも確か。
というのは、例えば、捜査の中でミスをして、一線から外された塔子が、すぐさま、その場で大きなヒントを得てしまった、とか、今回は刑事部と公安部のゴタゴタとか、そういうのがあるのに、それらは軽くスルーされてしまうとかがどうにも気になる。分量的な問題もあるのかもしれないが、もっと、そういうところを深く突っ込んでも良かったんじゃなかろうか? と思う。犯人の動機についても、犯人の回想によって語られるとか、そういうのも惜しいのではないだろうか?
このあたり、どこを重視するのか? などにもよるのだと思う。無駄のなさによって、残念と感じるのか、それとも、テンポの良さを重視するのか? 個人的な好みとしては、もうちょっと遊びがあってもよかったんじゃなかいか、と思う。

No.2966

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