fc2ブログ

(書評)末摘花 ヒカルが地球にいたころ……5

著者:野村美月

“末摘花“末摘花
(2012/08/30)
野村 美月

商品詳細を見る


夏休み、帆花とプールにいくはずが、なぜか紫織子まで一緒に行くことに……。ドタバタとした日々が続く中、是光は、ヒカルの新たな心残りを晴らすため、動き出す。その相手とは、ブログでのやりとりで知り合った顔も名前も知らない相手……
前巻で「ゴチャゴチャしてきた」「まさにハーレム状態」みたいなことを書いたのだけど、今巻はさらにそれがヒートアップした、という印象。というのは、一応、今回のヒロインはネットで知り合った「サフラン」という少女ではあるのだが、自らの容姿に自身がなく、しかも、是光がまさに「ヤンキー」そのものということもあって、遠くから見守るだけ。替わりに、待ち合わせの喫茶店で、是光が過去に知り合った女性たちが出てきては色々と騒動を起こす……という感じだから。
まぁ、何というか……厄介な場所で待ち合わせをしたなぁ、と(笑) だって、葵がそこでバイトをはじめたおかげで、頭条もよくいるし、葵を無視するわけにもいかない。紫織子が現れては、引っ掻き回す。帆花は帆花で暴走をする。月夜子は、派手な登場で周囲を困惑させる。……そりゃ、傍から見ていたら声かけづらいし、「何この状況?」と思うわなぁ(笑) その辺りは、読んでいてサフランと全く同感だった。
私自身は、源氏物語に詳しくないのだが、あとがきによれば、サフランのモデルである末摘花は、かなり残念なお姫様。ということもあって、作中では、そういうのをあまりださないようにしてのインターバル的な要素が強かったのかな? と思わずには居られない。次回がいよいよラスボス級の人物・朝衣っていうことだし。
ただ、そういうインターバル的な要素を多く出しつつも、ちゃんと最後はヒロインとしての扱いをするところがこの作品らしさであり、ヒカルの凄いところじゃないかとは思う。作中でも、自分の容姿が……というサフランと実際に対面して、是光すら絶句する中、そういう感情を一切示すことなく、サフランの魅力を語り始めるヒカルって確かに凄い。ある意味、尊敬に値すると思う。……なぜか、素直に称賛しづらい感情も生まれてくるのだけど(ぉぃ)
とは言え、先にも書いたように、いよいよ次回が朝衣ということで、サフランの印象が弱くなってしまった感は否めず。何か、そういう点でも、不憫……かもしれない。

No.3018

にほんブログ村 本ブログへ



スポンサーサイト



COMMENT 0