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(書評)世界の終わり、素晴らしき日々より

著者:一二三スイ

世界の終わり、素晴らしき日々より (電撃文庫)世界の終わり、素晴らしき日々より (電撃文庫)
(2012/09/07)
一二三スイ

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敵対する隣国『高国』との開戦直後、世界は終わった。人類の殆どは一瞬にして消え果て……。そんな世界で出会った二人の少女チィとコウ。古いトラックを駆り、旅する二人がたどり着いた街で……
著者のデビュー作なので仕方が無いのだろうが……やりたいことは凄くわかる!! でも、話全体のバランスっぽいものがよくなくて、何か設定が活かしきれていない感じがする。
世界が実質的に滅んで10ヶ月あまり。まだ、普通であった時代の保存食などは十分に食べられるし、また、機材なども十分に使用することが出来る。ただし、戦争中であった、ということで両国の関係はよろしくなく、憎しみも残っている。そして、国はなくなっても、それでも両国の人間による戦闘というのが繰り広げられる。そういう世界観。その中で二人が旅をしている、という設定……
その中で、チィとコウの絆があって、また、戦うことになる高国の兵士の亡き上官との絆があって、という対比を描きたかったのだろう、というのは凄く感じた。ただ、いかんせん、300頁あまりの分量でそれを描くのはきついだろう、と思う。
なんていうか、色々と説明とかを省いてしまっているため、こうなのだろう、とは想像できるものの、確信が持てない。何というか、読者である自分が、憶測の上に憶測を積み重ねて物語を読んでいる気分なのだ。それを狙った部分というのもあるのかもしれないが、単に説明不足にも思えてどうにももやもやとする(笑) また、その中に、コウを狙う高国の兵士の話も挟まれるのだけど、こちらはさらに分量が少ない。当初、彼は上官となった「軍曹」のその態度を嫌っていたのだが、しかし、その仕事は常に完璧で、やがて信頼できる上官になっていた。だからこそ、その命を奪ったコウが……となるのだけど、こちらもそうなっていく過程とかがそれほど書き込まれているわけではないので、何か、同調するとか、そういう感情が抱きづらかった。
多分に好みの問題もあると思う。ただ、私には色々と説明不足、分量不足、というように感じられた。

No.3057

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