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(書評)さあ、地獄へ堕ちよう

著者:菅原和也

さあ、地獄へ堕ちようさあ、地獄へ堕ちよう
(2012/09/25)
菅原 和也

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流されるままに居ついたSMバーでM嬢役として暮らすミチ。そんな彼女の元に、幼馴染である男友達・タミーと再会する。さらに翌日には、職場に殆ど顔を出さなくなっていたトラブルメーカー、リストが現れ、案の定、トラブルに巻き込まれてしまって……
第32回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作。
なんていうか、アングラ臭がこれでもか、と。そもそも、物語が開始されて100頁くらいは、事件は起こらずにヒロインの日常、周囲の人間を描く、ということに費やされる。自分でも何をしているのか、と思いつつも、流されるままにSMバーで働くミチル。そこの女王様ことルーシー。困った客に、久々にやってきたトラブルメーカーのリスト。そして、ミチルに怪しげなサイトを教えることにもなる幼馴染のタミー。それぞれが、かなりイカれている。
そのイカれている、というのを表すのが、死体描写だの、人体改造だの、というのが大量に出てくる点。刺青を入れる、だとか、足を切断する、だの何だのとそういう表現がこれでもかと出てくる。いや、描写事態は、この手の作品にしては抑え目だとは思うのだけど……でも、好き嫌いは分かれる内容だもんなぁ……。しかも、ヒロインは、というと、薬物とアルコールで自らを律している、という存在だから余計に。
んでもって、いざ、事件が起こってからは……ここからの展開も評価が分かれそう。
「自分は刑事でも、探偵でもない」
というミチルの台詞はその通りだし、ミチルに限らず、素人が事件について調べだしたらこうなるのだろう、と思う。その意味ではリアリティがある、といえるのかもしれない。でも……根拠も無くどんどんと突き進んで、トラブルを拡大させるよな、お前!! と、どーしてもツッコミを入れたくなる。まぁ、ミチルと同じような思考は私もしたのだけど……でも、そっから先がないわー(笑) 終盤のひっくり返しとかも、登場人物の関係などから考えるとある程度、予測がつく範囲内。
まぁ、何というか、謎解きとか、ひっくり返しとか、そういうタイプの作品というよりは、アングラな世界で、主人公が色々と暴走する青春小説、と捉えたほうが良いかな、と。色々と問題は解決されていない、というか悪化させたままの結末なのに、変な爽やかさが残る辺りが……。
絶対に人は選ぶけど、これはこれでひとつ、アリだろう。
でも、この表紙はナシだろう(『暗号名サラマンダー』まんま)

No.3066

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