fc2ブログ

(書評)レトロゲームマスター渋沢3

著者:周防ツカサ

レトロゲームマスター渋沢3 (電撃文庫)レトロゲームマスター渋沢3 (電撃文庫)
(2012/05/10)
周防ツカサ

商品詳細を見る


携帯電話でゲームをするおれを羨ましそうに見ている委員長。そういえば、委員長の携帯は、通話とメールだけのしょぼいもの。日ごろの勉強などでもお世話になっているだけに、携帯型ゲーム機をプレゼントしようと考えたおれだったが、委員長はそれを断り、皆で秋葉の家の手伝いというバイトをすることになって……
一応、シリーズ完結……なのかな?
さすがに、題材が苦しくなってきたのか、だんだんと「レトロゲーム」じゃない話とかが出てきたような気がする。まぁ、テトリスでのエロ単語方向へ、とか、カセット型のゲームソフトだからこその「データが消えた」とか、そういうものはあるのだけど……それぞれ、物語について深くつっこんだ話、という感じではなかったように思う。逆に(初登場したのは古いけど)UFOキャッチャーとかは、まだまだ普通に見られるゲームだしなぁ……と。
で、替わりに今回は委員長のライバルこと、西園寺が物語の中心。いつの間にやら、隠れ家にも馴染み、気づけばRPGとかをやって(そのデータを消されたから、主人公に同じレベルまで上げろ、と無茶振りしたりする)なんていうことになっていたのに、突然、態度が変化する。いきなり怒り出したり、距離を置きだしたり……。その裏にあるのは……というのが、一応の物語なのだろう。
ただ、正直なところ、結構、第1巻であった委員長の事情とかに近いところがあるし(西園寺の方が、より極端ではあるのだけど)、また、主人公である渋沢に対する態度とか、そういうのが中途半端な形で終わってしまったように感じる。一応、終盤にゲームを通して、一度は喧嘩してしまった委員長とより打ち解ける、という形で締まってはいるのだけど……ちょっと色々と残ったものが多い結末だな、と思わざるを得ない。
とは言え、ネタ的にも大分苦しくなってきたところがあるだろうし、この辺りが潮時なのかな? と思う。とりあえず、毎回、賑やかにゲームやっているというのをまったりと楽しむことが出来たシリーズで楽しかった。それが、凄く簡単だけど、このシリーズの感想かな。

No.3067

にほんブログ村 本ブログへ




スポンサーサイト



COMMENT 0