(書評)魔法少女育成計画

著者:遠藤浅蜊

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)
(2012/06/08)
遠藤 浅蜊

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大人気ソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』。そこには、ある噂があった。それは、数万人に一人の割合で、本物の魔法少女が選ばれる、というもの。そして、それは事実だった。マスコットキャラクター・ファヴによって選ばれた魔法少女たち。その数が16人に達したとき、ファヴは告げる。「増えすぎたので、半分に減らすことにしたぽん。毎週、マジカルキャンディーが最も少ない1人が脱落するぽん」……
もう、至るところで話題になっていたので身構えていたのだけど、なるほどね……と。
『魔法少女まどか☆マギカ』と『バトルロワイヤル』をあわせたような作品というのを目にしたのだけど、他にも色々な作品が頭に浮かんだ。例えば、「脱落者は死ぬ」というのを告げずに最初の週を終え、その脱落者が死んだ、という衝撃は『ぼくらの』の最初の戦闘後、パイロット役の少年が死んだときのそれを思い出した。
とにかく、嫌な話だ、っていうのは間違いないところ。生き残る為に、最初は「善行」を行ってキャンディーを溜めていく魔法少女達。しかし、追加機能により、マジカルキャンディーを分け与えられる(=奪える)となり、互いからの奪い合いに。さらに、相手を殺す、という方法、追加アイテム……と、どんどん戦いあうように、殺し合いをするようにと煽られていく。その通りに戦いは激化していって……
まぁ、280頁あまりの分量しかない中で、16人の魔法少女たちの事情、それぞれの関係性などを書くということになっているため、駆け足感はある。序盤の、傲慢なリーダー・ルーラと、その部下となった魔法少女たちの関係とひっくり返しの結末などは凄く良かったのだけど、戦いが激化してくる後半になればなるほど、皆、アッサリという感じで衝撃みたいなものは弱くなったように感じる。もっとも、読者である自分の感覚の方が麻痺してきているのかも知れないけど。それでも、伏線とか、そういうものをしっかりと描ききっている点を評価すべきなのかも知れない。
結末は……こうならざるを得ないよね……。ある意味、これもひとつの成長、なのかも。あまりにも苦い経験の末の、だけど。

No.3103

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