(書評)魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?

著者:東川篤哉

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?
(2012/09/28)
東川 篤哉

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39歳独身の美人刑事・椿木綾乃と、彼女にののしられることに喜びを見出す小山田聡介。八王子署の名(?)コンビが遭遇する事件には、なぜか竹箒を持ち、三つ編みの美少女家政婦がいて……
という連作短編集。全4編を収録。
うーん……ある種のワンパターンミステリーということなのだろうか?
物語は、必ず、以下のパターンで展開する。まず、犯人視点で事件を起こすまでが綴られる。そして、小山田らが現場に訪れ、事件の捜査を開始する。すると、そこには、(本当の)魔法使いである少女・マリィ――ただし、毎回、名前は別人であるとして――がいる。小山田は、彼女と知り合いであるため、ツッコミをすると、マリィは魔法で犯人が誰なのかを明らかにする。しかし、証拠能力が無いので役には立たない。しかし、そこからヒントを得て、小山田は見事にトリックを喝破する。
つまり、物語としては倒述モノとしての側面を持っている、ということ。トリックは、最初から明らかなので、いかに、それを崩すのか、というのが焦点といえるだろう……
その点で言うと、私は4編目の『魔法使いと代打男のアリバイ』が好き。プロ野球選手の起こした殺人事件。犯人は、自分のそっくりさんを雇い、完璧にアリバイを作った。しかも、試合中におきた事件でそれが強化されたはず!
……正直、このミスは、どっかで見たような気がするのだけど、それでも、なるほどね……という感じで楽しめた。多少、後出し情報的な謎解き部分があるのだが、この中では一番素直に楽しめた。
ただ……
この『謎解きはディナーのあとで』以降、ひたすら短編集ばかり、という状況で、キャラの描きわけがイマイチできていないと感じる。本作の椿木&小山田のやりとりとか、どっかで見たことがあるような感じなのである。長編作品のように、深く掘り下げられない分、どうにも軽い、という印象を抱かざるを得ない。
毎度書いている気がするし、今後の2作も短編集なのでアレだが……そろそろ、短編に飽きてきた。

No.3118

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  • 2015.12.22 (Tue) 16:07 | 粋な提案
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