著者:琴平稜
ユースタシア学園。そこは、大陸を跋扈するモンスターを駆逐する冒険者育成機関。夏休みも間もなく終わろうとしているある日、勇者課程の落ちこぼれのリンと、勇者になりたかった活字嫌いの伝記士課程のカイは図書館で出会う。夏休みの宿題が全く終わっていない二人は、リンの宿題である5つのクエスト攻略をし、その様子を伝記に綴る、という旅に出ることにしたのだが……
第24回ファンタジア大賞金賞受賞作。
『生徒会の一存』シリーズの葵せきな氏が帯でコメントを書いているのだけど、なんていうか……『生徒会の一存』の生徒会の面々がRPGで旅に出たら、こんな感じになりそう、というのを思ったりする。
勇者、なんだけど、基本的にへっぽこで、武器はなまくらの剣のリン。見た目はごついオッサンだけど、役立たずの遊び人であるジル。そんなジルらを罵倒し、一方でリンを溺愛する召喚士のニーナ。そして、それぞれにツッコミを入れるカイ。なんか、会長、真冬、知弦、杉崎辺りとイメージがかぶる(真冬ちゃん、ごめん。そして、深夏がいない……) 作品のゆるさ、とか、そういうのも含めて。
そして、物語は基本的にボケをメインに展開していくのだけど、かなりかぶせてくるな、というのを思った。ニーナが召喚するのは、召喚獣……ではなく異世界(現代の地球)の人間。そこで最初に出したソノダさんネタから、どんどんソノダさん関係をかぶせていくとか、そう来るか、と思わされたり。他にも、RPGのメタネタとか、そういうところで物語が展開していく。正直、導入部分はやや地味なのだけど、冒険が始まる辺りから加速していく感じだった。
ただ……
読み終わってみると、世界観そのものがメタネタ的な部分があるだけに、続編でこれをどう広げていくのか、というのは気になるところ。この作品におけるモンスターの存在意義とか、そういうのまで出ちゃっているし、メタネタそのものもそこまで多くは無いだろうから……
この1巻は楽しかったのだけど、今後どうするのかちょっと心配だったりもする。まぁ、その辺りは著者の力量に期待、ってところかな?
No.3119

![]() | 勇者リンの伝説 Lv.1 この夏休みの宿題が終わったら、俺も、勇者になるんだ。 (富士見ファンタジア文庫) (2013/01/19) 琴平 稜 商品詳細を見る |
ユースタシア学園。そこは、大陸を跋扈するモンスターを駆逐する冒険者育成機関。夏休みも間もなく終わろうとしているある日、勇者課程の落ちこぼれのリンと、勇者になりたかった活字嫌いの伝記士課程のカイは図書館で出会う。夏休みの宿題が全く終わっていない二人は、リンの宿題である5つのクエスト攻略をし、その様子を伝記に綴る、という旅に出ることにしたのだが……
第24回ファンタジア大賞金賞受賞作。
『生徒会の一存』シリーズの葵せきな氏が帯でコメントを書いているのだけど、なんていうか……『生徒会の一存』の生徒会の面々がRPGで旅に出たら、こんな感じになりそう、というのを思ったりする。
勇者、なんだけど、基本的にへっぽこで、武器はなまくらの剣のリン。見た目はごついオッサンだけど、役立たずの遊び人であるジル。そんなジルらを罵倒し、一方でリンを溺愛する召喚士のニーナ。そして、それぞれにツッコミを入れるカイ。なんか、会長、真冬、知弦、杉崎辺りとイメージがかぶる(真冬ちゃん、ごめん。そして、深夏がいない……) 作品のゆるさ、とか、そういうのも含めて。
そして、物語は基本的にボケをメインに展開していくのだけど、かなりかぶせてくるな、というのを思った。ニーナが召喚するのは、召喚獣……ではなく異世界(現代の地球)の人間。そこで最初に出したソノダさんネタから、どんどんソノダさん関係をかぶせていくとか、そう来るか、と思わされたり。他にも、RPGのメタネタとか、そういうところで物語が展開していく。正直、導入部分はやや地味なのだけど、冒険が始まる辺りから加速していく感じだった。
ただ……
読み終わってみると、世界観そのものがメタネタ的な部分があるだけに、続編でこれをどう広げていくのか、というのは気になるところ。この作品におけるモンスターの存在意義とか、そういうのまで出ちゃっているし、メタネタそのものもそこまで多くは無いだろうから……
この1巻は楽しかったのだけど、今後どうするのかちょっと心配だったりもする。まぁ、その辺りは著者の力量に期待、ってところかな?
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