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(書評)マグダラで眠れ3

著者:支倉凍砂

マグダラで眠れ (3) (電撃文庫)マグダラで眠れ (3) (電撃文庫)
(2013/04/10)
支倉凍砂

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カザンの町への入植を許可されたクースラたち。鍛冶屋組合のイリーネも工房に迎え、グルベッティの町を出る準備を進める中、ウェランドが貴族の娘との関係からカザンへ向かうのが困難な状況へと陥ってしまう。「放っておくしかない」というクースラだったが、ウェランドも、というフェネシスとぶつかることになって……
なんていうか……不器用な2人だなぁ……。やっぱり、今回は、そう思うところでしょ。
冒頭には、ウェランドが女性関係のツケもあってカザンへといけないかも、というところを書いたのだけど、物語は2部構成という印象。前半は、ウェランドをめぐる話であり、後半はカザンへ向かう中での物語。
とにかく、クースラの立場っていうのが複雑というか、面倒くせぇ(笑) 真理を求める、というのが何よりもの至上命題であるクースラ。だから、ウェランドと言えども、その邪魔になるならば切り捨てることもやむなし。しかし、フェネシスは失いたくない。そして、そのフェネシスの行動原理は、自分とはまったく違うものになっている。
まぁ……ウェランドを救うためには、ウェランドが錬金術師であり、貴族と結婚などできないと証明すればよい。そして、そのために、自分自身がウェランドの錬金術で作られた存在だと言いに行く……なんてやられたら……そりゃ、ねぇ……(笑) ただ、一方で、かつて、フェネシスを救った、今度はウェランドを救った……で癖になったら困るっていうのがある。もう、面倒くさいな、こいつ(笑)
一方、後半は、その結果、ウェランドも含めて旅に出て……の話。
そこで出会ったのは、流浪の民。かつて、流浪の生活をしていたフェネシスは、この人々と仲良くなっている。そして、彼らは、騎士団に対して隠し事をしている。自らを利するために、騎士団に自らの存在意義を示すためにも彼らの秘密を騎士団に報告したい。しかし、それをすれば、グルベッティのときのいざこざが後を引いているフェネシスとの関係は致命的に……と思った先でのひっくり返し。
「したたかになれ」
ここまで散々、クースラが言ってた通りになったときのクースラの屈辱とかって、これはこれで面白い。まぁ……結局、クースラにとって、フェネシスってのは、保護対象的な見方になっているんだろうな……。つまり、ある意味、わがままなんだよね……。『狼と香辛料』のときもそうだけど、両者が素直に自分の気持ちをそのまま表さないあたりが著者らしいと感じる。
んでもって、いざ、カザンへ……というところでの引き……。
カザンが最前線でなくなったとしたとき、今度はどうなる?

No.3146

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