fc2ブログ

(書評)失恋探偵ももせ

著者:岬鷺宮

失恋探偵ももせ (電撃文庫)失恋探偵ももせ (電撃文庫)
(2013/04/10)
岬鷺宮

商品詳細を見る


「恋はいつか終わります」 そんなことをいう千代田百瀬。恋をしっかりと終わらせるため、彼女は「失恋探偵」として、その真実の調査を請け負っている。そして、ミステリ研究会部長である俺、野々村九十九は、それに巻き込まれて調査を手伝っている……
第19回電撃小説大賞「電撃MAGAZINE」賞受賞作。
なんつーか、手堅い。ものすごく手堅い。そして、内容的には、電撃文庫よりもメディアワークス文庫の方が合っているような気もする。
全4編の連作短編の形になっているのだけど、そのうち、3編について、基本的な展開は同じ。
まず、依頼人が百瀬らのもとを訪れ、依頼を行う。その依頼に基づき、聞き込みなどをし、九十九は「こうじゃないか」と結論めいたものを出す。しかし、百瀬は「まだ結論には早い」と保留。そんなとき、九十九のとったちょっとした行動などから、百瀬が真相にたどり着く。そして、3編目では、ちょっとしたトラブルがおき、4編目でまとめられる、と……
正直なところ、パターンが決まっているとかも含めて、謎解きの要素はかなり弱い。ただ、ある意味、高校生くらいの恋愛ってこんな感じなのかな? とも思う。「恋の終わり」というよりも、そもそも、「恋」そのものに対する興味の部分で……の1編目。色々とツッコミどころのある対応の2編目(笑) ある意味、どこからのドラマみたいな感じの展開ながら、ここまでの甘酸っぱい結末ではない3編目……と、その中のカラーをしっかりと変えてくるのは良いところだと思う。特に、3編目に関しては、一般の社会での探偵業とかだったら、こういうパターンが最も多くなりそうだよなぁ……と思う。
4編目は、3編目の結末を受けて……のまとめ。
こう言っては何だけど、結構、この手の形をとっている作品は多いだけに、この作品だからこそ、という売りには乏しいと思う。完成度は高いが、電撃小説大賞の中ではマイナーなところっていうのも、そのあたりが原因のように思う。ただ、百瀬、九十九のすれ違いとか、そういうのは上手く描かれているとも思う。
なんか、上手い題材を手できれば、売れる作家じゃないか、というのを感じた。

No.3152

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村



スポンサーサイト



COMMENT 0