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(書評)バカを治す

著者:適菜収

バカを治す (フォレスト2545新書)バカを治す (フォレスト2545新書)
(2012/11/08)
適菜 収

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現代社会に生きる人々の多くは、「男女平等」「民主主義」「正義」「近代」「情報化」などという巨大なバカ性に洗脳されている。しかし、その本質をつかめば、それがいかにいかがわしいかがわかる。本書は、「バカ」を批判するのではなく、「バカ」の本質をつかむことで、それを克服することを目指……
……先生……中身が、薄いです……
本書を開いて最初に思ったのは、「圧倒的に少ない文字数だなぁ」ということ。一般的な新書サイズの書籍だと、1行40文字程度なのだけど、本書は、1行が37文字とそもそもの文字数が少ない、しかも、その37文字がびっしりと埋まっている、ということは稀で、ほとんどが37文字に達しないで改行されている。この感想を書くにあたって、ネット上のレビューなどを目にした際、「スラスラと読める」というようなものがあったのだけど、そりゃ、これだけ文字数が少なけりゃ、あっという間に読み終わるだろう。
著者は、前書きで「バカ」は「モノを考えずに反射的に反応する存在」という風に述べている。そして、それを前提に、「○○はなぜですか?」という問いに「○○だから」と回答するような形で綴られていく。
まぁ、民主主義が必ずしも最高ではない、とか、そういうことは当然である。しかし、何というか、著者自身が、ロクに根拠も挙げずに「○○です」と連呼していく上に、著者自身の言っていることが自己矛盾しているので「なんだかな」という感想しか抱けない。
例えば、民主主義っていうので、結局、素人の意見が大きくなり、素人、バカの暴走になっている。素人が専門家の批判をする時代だからいかん、というようなところがある。でも、そんな著者は、(自称)哲学者であるのに、政治家の政治手法だとかを批判しまくっている。この自己矛盾は何なのだろう? と感じる。さらに、例えば、大阪の橋下市長を支持している、という人間はそれだけで「B層」と決めるける、とか思いっきり「脊髄反射」しているだけの部分も多い(橋下氏を支持している人は、全員が、彼のパフォーマンスにだまされているから、というのはどういう根拠だろう?)
そもそも、脊髄反射的な反応はダメと批判するのだけど、物事について「素人」「専門家」と二分する発想自体が、既に脊髄反射的なものではなかろうか? 例えば、長距離トラックの運転手さん、というのは、政治のプロではない。では、全くの素人なのか、というとそれもまた違うだろう。少なくとも、彼らは、流通のプロである。そして、運転をしている中で、こういうところで事故が発生しやすい、渋滞が発生しやすい、というものを経験的に知っている。そうすると、そのような意見を取り入れることで、交通などがよりよくなる、ということになるだろう。勿論、それだけでがダメである、というのも事実だが。
結局、本書の中身というのは、データも根拠もろくに示さず、「これはバカのやり方」と煽っているだけという本と言えるだろう。著者が、「自己啓発書は不安商法」と批判しているけど、やっていることは同じ。

No.3156

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