(書評)SOSの猿

著者:伊坂幸太郎

SOSの猿 (中公文庫)SOSの猿 (中公文庫)
(2012/11/22)
伊坂 幸太郎

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子供のころ、憧れの女性であった辺見のお姉さんの家へと赴いた遠藤二郎。辺見のお姉さんに頼まれたのは、2年ほど前から引きこもり状態にあり、特にここ半年はひどい状態だという彼女の息子を助けてほしいという頼みだった。エクソシストのようなことをしている二郎は、その息子と会うが……。一方、システム会社で品質管理の仕事をする五十嵐真は、300億円にも上る株の誤発注事件を調べ……
わかるような、わからんような……
私が読んだ文庫版は、単行本のときと少し違っているらしいのだが、元々が、五十嵐大介氏の漫画『SARU』と繋げられた作品らしく、そちらを未読なのは色々とまずいのかな? と思ったり思わなかったり……
と言いながら、読んでいる中で思ったのは、そこまでがすべて前置きかい!! ってことだったり。冒頭に書いたように、物語は、2つの章によって展開する。その章がエクソシストのような行動をしている、という二郎が、それをした結果、なぜか孫悟空が出てきてしまった、というものに、とにかくすべてにつけて因果関係をはっきりさせようとする五十嵐の目になぜか孫悟空。どちらも『西遊記』が関係していて……はわかるが、それぞれがどうつながるのかと思えば……
ある意味、この作品って、物凄く大胆な構成をしている作品なのだと思う。二つの並行する物語を作り、その結果……と思わせて後半に入ったところでひとつのひっくり返しをし、その上でもう一展開。しかも、そのひっくり返しによってなされたものが、結構、中途半端で、というのが凄い。これ、下手にやったら「何じゃこりゃ」ってことになると思う。でも、著者の得意とする人物造詣があるから、それはそれでひとつの味になっている。本当、著者だからこそ、書ける作品のように思う。
色々とあった騒動が解決したけど、色々と残ったものもあるような……。でも、なんかそれすら受け入れて良いような……。その訳がわからんところがあるけど、なぜかさわやか。それで良いのかな? という気がしてきた。

No.3158

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  •  『SOSの猿』 伊坂幸太郎
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