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(書評)眼球堂の殺人 The Book

著者:周木律

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社ノベルス)眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社ノベルス)
(2013/04/04)
周木 律

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天才建築家である驫木煬が山奥に立てた私邸・眼球堂。その披露のため、各界で活躍する天才たちが招待される。そのひとり・流浪の数学者・十和田只人を追い回すルポライター・陸奥藍子を待っていたのは、奇妙な館と、そこでおきる連続殺人。この世のすべての定理が書かれていると言う『The Book』。それを求める十和田は、真実を証明できるのか?
第47回メフィスト賞受賞作。
久しぶりに、こういう作品を読んだ気がする。クローズドサークルとなった奇妙な館。歴代のメフィスト賞作品は、全部読んでいて、昔の作品は、こういう作品が多かった気がするけど、そういえば最近の受賞作は……とふと気づく。何というか、図らずとも、メフィスト賞の歴史とかを思い浮かべてしまった。
とにかく、この作品の肝となるのは、その館の構造。大理石でできた10M以上もある巨大な穴のような空間があり、そこには円柱、円錐など数多くの柱が立っている。そして、その中にある円形の建物。周を描く形で作られた回廊の中に、配置された部屋。そして、巨大な吹き抜け……。その柱に、館の主である驫木が串刺しになった形で発見される。さらに、吹き抜けに転落して死亡したものが現れ……。どうやって驫木は串刺しになったのか? どうして吹き抜けに転落してしまったのか? そもそも、この館はどういう建物なのか?
作中で、藍子が十和田のことを「変人」と呼んでいるものの、そこまで変人というわけではない。ごくごく常識的な人物。そういう意味で、キャラクターとしては普通。さらに、数学者と強調するほど、数学という感じでもない。さらに、ある意味、これでもか、というくらいにベタな物理トリックをやっている作品なので、ある程度、想像がつく部分はある。ただ、逆にそこに挑戦してくれることにうれしさも感じたりする。一応、最後の最後にもうひとつのひっくり返しがあるわけだし。
多少、というか、かなり強引な動機なども含めて、こういう作品、あっても良い。

No.3163

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