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(書評)なにかのご縁 ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る

著者:野﨑まど

なにかのご縁―ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る (メディアワークス文庫)なにかのご縁―ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る (メディアワークス文庫)
(2013/04/25)
野崎 まど

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大学の自治会に所属する波多野ゆかりくん。彼はある日、奇妙な糸を見つけそれをたどったところ、謎のしゃべるうさぎと出会う。そのうさぎの「うさぎさん」は、その自慢の長い耳で人の縁を結んだり、切ったりできるのだと言う。そして、なぜか、ゆかりは、自分の縁を切られてしまう。自分の縁を結びなおしてもらうため、うさぎさんの「縁結び」に協力することになって……
何この綺麗な話!?
これまで読んだ著者の作品というと、綺麗な話というよりは、予想の斜め上を行くような話をわざと狙っている、というのを感じたわけだけど、本作の場合、とにかく綺麗な話。自分の縁を結びなおしてもらうために、大学の先輩、引っ越していくサークル仲間、教習所で出会った母子、そして、自治会の先輩の悲しい縁……それぞれへと関わっていく。
縁は、相手を思っているかどうか、とか、そういうことだけでは決まらない。思わぬ形で、というのもある。それはわかりきっていても、結ばれない関係、というを見るのは納得できない。周囲で見たならなおさら。引っ越していく仲間のために一生懸命になる。母子に対する心配。努力あり、葛藤あり、挫折あり……でも、ちゃんと紡がれていく「縁」。ちゃんと結ばれるべきところは結ばれるという安心感。そういった様子がとても綺麗で、優しい物語になっていると感じた。
その上で、うさぎさんの適当さ、というか何というかが、すごく良い。いきなりゆかりくんの縁を切って、無理やりに巻き込んでしまう。そして、ゆかりくんについて回って、大学内のペットとして色々とご飯をもらってどんどん肥えていく。そんなうさぎさんと付き合う中であしらい方を覚えていくゆかりくんの成長(?)なんていう辺りは、過去の著者の作品らしくて面白かった。っていうか、フードの中にうさぎさん入れてたら、無茶苦茶、肩というか、首というかが凝りそうだな、とか思う私は若くない(苦笑)
予想外のひっくり返しとか、そういうものはなかったのだけど、これはこれで良かった。というか、クセがない分、誰にでもお勧めしやすいかも知れない。

No.3186

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