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(書評)魔王と勇者の0フラグ#2

著者:宮地拓海

魔王と勇者の0フラグ #2 (角川スニーカー文庫)魔王と勇者の0フラグ #2 (角川スニーカー文庫)
(2013/02/28)
宮地 拓海

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「このままでは魔界が滅びてしまいます!」 平和を取り戻したはずの魔王の牧場に現れたのは、四天王の美女・イプサスとヴィルヘルミナ。戸惑う魔王に、なぜか怒る勇者。魔王、生命と貞操に危機に……
というと、1巻と同じような雰囲気に感じるのだけど、この巻で(恐らく)シリーズ完結なんていうのもあって、結構、シリアスな雰囲気。それも、別れ、というのを意識させるような。
というのも、魔界の負の魔力が増えすぎて、魔物たちが生き残ることが出来ない。そして、そのままでは世界は滅びてしまう。さらに、魔王が常に鎧を身に着けている、というのも、それを取ってしまうと魔力があふれ出して周囲を巻き込み、しかし、そのままでは自らが滅んでしまう。そして、世界を守るために、魔王は負の魔力を全て蓄えて、そのまま世界の果てへ行って自らを犠牲に救おうと考えている……という背景があるから。だから、常に悲壮感が溢れている。
それでも、いや、それだからこそ、魔王の「優しい」キャラクターが立っている、というのがわかる。最後になる(かも知れない)勇者とのデートとか、悲壮感とかもあるのだけど、常に勇者を気遣っているのだし。で、一方の勇者も、相変わらず、魔王を殴ったり、ってのはあるんだけど……魔王が別れを意識したような発言するたびに、そのことを怒るとか可愛らしい。雰囲気は1巻と異なるのだけど、やっぱり、みんな、愛らしい、っていうのは変わっていなかった。
そういいつつ、乳比べだの何だの、という結構、下ネタに近いギャグとかもあるけどね。……その前に、魔王、威厳なさすぎるだろう、と(笑) でも、それが良いのか……この作品の場合。優しく対応して、それでまとめていたんだろうな……きっと。
まぁ、良い魔王と、下種な人間とか、そういう構図は、例えば『はたらく魔王さま』(和ヶ原聡司著)とかあるだけに、その部分ではそれほど新鮮味はないのだけど、優しい魔王と、素直になれない勇者のラブラブっぷりが可愛かっただけに、これで終わり(っぽい)のは残念。でも、面白かった。

No.3197

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