fc2ブログ

(書評)ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート

著者:櫛木理宇

ホーンテッド・キャンパス    幽霊たちとチョコレート (角川ホラー文庫)ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート (角川ホラー文庫)
(2013/01/25)
櫛木 理宇

商品詳細を見る


幽霊が「視えてしまう」大学生の八神森司。これまで、そういう類のものは見えなかったことにしてやり過ごしてきた彼が、なぜオカルト研究会にいるのか、と言えば、片思いの美少女・灘こよみがいるから……。そんなオカルト研では、心霊現象などに纏わる相談を受け付けていて……
という連作短編集シリーズ第2作。
第1作目の感想として、大学のサークルの「楽しさ」は伝わってくる。けれども、設定とか、そういうのが活かしきれていないように思う。こんなことを書いた。結構、低めの評価だったのだけど、第2作目は、「本当に霊の仕業か?」という部分は多少弱いものの、「ホラー作品」としての怖さ、気持ち悪さ、そして「ミステリ」としてのひっくり返しが強化されてきた、と感じる。
例えば、第2話の『彼女の彼』。オカルト研にやってきたのは、イケメンの青年。最近、彼の周囲では、仲が良かったものの2年前に失踪した少女の霊(?)が現れるという。そして、それから数日。全く同じことを主張する冴えない青年がやってきて……。
同じことを主張する二人の青年だが、両者は全く対照的。それは、周囲からの評価という意味でも。しかも、霊として現れる少女は、かつて、ストーカー被害に遭っていた。さらに、その中から感じる違和感……。描き方がまっすぐなので、ひっくり返しそのものは想像が出来るかもしれないけど、嘘つきの側の醜さ、そして、霊の側のまっすぐさ……そういうのが感じられてなかなか私は好き。
純粋に「怖さ」という意味では4話目の『鏡の中の』や、5話目の『人形花嫁』。鏡に自分の姿が映らない。そして、体調を崩す……とか、はたまた、人間そっくりに作られた人形が、夜ごとに動き回る……とか、嫌だよね……という感じ。どちらも、その背景に、活きている側の問題もあるのだけど、ただでさえ鬱憤やら何やらを抱えている状態なのに、それが引き金になって……。嫌さ、という意味では、こういうパターンが一番、嫌だな、と思う。
一応、その一方で、こよみに対する森司の思い、とかそういうのはあるんだけど……恋愛方面について言えば、何とも歩みの遅い展開(笑) 個人的に、そこにはあまり重きを置いて読んでいないこともあるのだけど、薄い味付け程度で良いんじゃないかと思う。ぶっちゃけ、「霊にとりつかれやすい」というこよみの設定はあまり今回、活躍しなかったように思うし。
でも、3巻目では、どうやらライバルも登場するみたい。ということは、恋愛方面も進展ってことかな?

No.3202

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村



スポンサーサイト



COMMENT 0