FC2ブログ

(書評)探偵ザンティピーの惻隠

著者:小路幸也

探偵ザンティピーの惻隠 (幻冬舎文庫)探偵ザンティピーの惻隠 (幻冬舎文庫)
(2012/10/10)
小路 幸也

商品詳細を見る


「祖父から託された古い写真を持ち主に返してほしい」 大学職員であるエヴァからの依頼を受け、ザンティピーは三度、日本へ。「ゴシック温泉」「カタヒラ」なるキーワードから、間もなく目的地を割り出し、すんなりと返却は終わるのだが……
ザンティピーシリーズ第3作。前作同様、英語でのやり取りと日本語でのやり取りの口調の違いにギャップがありすぎる。
で、物語は、というと、冒頭に書いたように、「祖父の託した写真を返してほしい」というところから始まり、あっという間にそれは完了してしまう。折角、日本の温泉に来たのだからあとは休暇……と思いきや、そこからが物語が動き始める。
順調に遂行完了となったはずの仕事。しかし、どうにもザンティピー自身はそれで納得が出来ない。しかも、返したはずの写真を処分してしまう主に、突如、転落死してしまった老婆。その背景にあるのは……
皆が何か、秘密を抱えている。探偵はそれを暴いてどうするのか?
今回のエピソードは、その意味で言うと閉鎖的な村、旧来からの慣習、そして、戦後の困窮時代。その時代を考えると、このような秘密を抱えることは仕方がなかったのだろう……。しかし、秘密というのはバレてはならないものだからこそ、一人で抱え込むのはつらすぎる。まして、「優秀な」探偵が興味を持った、という状況の前では……
「おいらが来たから……」
物語冒頭では、秘密を暴かないと商売にならない、というようなことを言っているんだけど、同時に、探偵っていうのは(無論、探偵に限らず、だけど)それを抱え込むのも仕事なのだな……と感じる。過去2作もそうなのだけど、これだけだんだんと色々と「秘密」を抱え込んで大丈夫なのかな? なんていうのも思ったりする。だからこそ、の、厚田先生とかが大事になるんだろうけど……厚田先生、やっぱ、教師という感じじゃないよ(笑)
分量は少ないけど、安定した面白さのあるシリーズだな、と感じる。

No.3208

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


スポンサーサイト



COMMENT 0