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(書評)偽りのシスター

著者:横関大

偽りのシスター偽りのシスター
(2013/05/24)
横関 大

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品川のマンションで暮らす楠見兄弟は、それぞれ、互いに隠し事をしていた。兄・太一は、半年前、勤めていた会社をリストラされ、それを言えないまま、朝、出勤のふりをして家を出る毎日。一方、刑事である弟・和也は、今、話題となっている警察官による容疑者射殺事件。同僚の仕業とされているのだが、実はそれを起こしたのは自分で……。そんな兄弟のもとへ、腹違いの妹だと言う麻美という女性が転がり込んできて……
なんか、このタイトルや、ネット書店などに掲載されている内容紹介。これはないわ。「妹に惚れたら、悪いか!?」なんて、別に妹との禁断の愛とか、そういう話じゃないから。ものすっごい釣りタイトル。
なんていうか……この自称・妹の存在。それ自体が、とんでもなく大きな出来事と言うわけではない。まぁ、彼女が来たことで、それをどうするのか、などで兄弟が喧嘩をしてしまう、とか、そういうのはあるし、和也のほうは、麻美の正体を疑ってみたり、というのはあるんだけど……、どちらかと言うとちょっとしたきっかけ的な存在と言えるだろうか。
まぁ、物語は太一の再就職関係の話と、和也の事件の調査で展開する。個人的には、太一の話が好き。
いつもの公園に現れた闖入者。それは、和也が巻き込まれた事件の被害者の息子だと言う。自分がリストラされ、再就職を、というようなことで話をする中、なぜか、その少年に就職指南をしてもらうことに……。なんていうか、あまりにも太一のコメントとかが無茶苦茶というのは思うだけど、それを適切に突っ込み、アドバイスを送る少年というやりとりがなんかのほほんとしていてすき。そして、なぜか同じく公園の常連であるおばさんに太極拳を習い始めたり……。ここまで、4作を読んできたけど、デビュー作となった『再開』を別とすれば、こういうのほほんとした雰囲気をメインに添えた話があっているんじゃないかな、と感じた。
逆に言うと、事件の部分での処理とかは強引さとかを感じてしまった、ということ。登場人物から、犯人が誰かわかりやすい、というのは良いとしよう。しかし、犯人を特定する鍵となるものとか、警察は見逃しすぎだろう、とか思う。また、色々と引っ張った麻美の正体も正直、肩透かし。
ちょっと不満も残る出来、という評価にしたい。

No.3266

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  • 2015.03.06 (Fri) 00:42 | 笑う社会人の生活
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