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(書評)フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン

著者:小路幸也

フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)
(2013/04/26)
小路 幸也

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下町の老舗古書店・東京バンドワゴン。その周辺の人々が語る番外編短編集。全11編を収録。
ここまで、毎年、1作ずつ刊行され、登場人物たちも、それに合わせて1歳ずつ年齢を重ねていたこのシリーズ。本作は、いつもの語り部であるサチお婆ちゃんではなく、冒頭に書いたように、周囲にいる人々が語る形になっている。さらに、時系列的にも、過去のエピソードの中の話であるため、何というか、読んでいて、「こういう話もあったなぁ」というのを思い出しながら目を通した。
まぁ、基本的にはちょっとしたやりとりの話、という趣。
例えば、1編目。同じ、お婆ちゃん・サチを見ることが出来る、という紺と研人が会話をする、という話。内容は、異母弟に当たる青が、堀田家へとやってきたときのこと。そもそもが大家族であり、破天荒な面々が揃っている堀田家。その中で、いきなり我南人が「自分の子供」「母親は言えない」と言ってやってきても、あっさりと受け入れてしまうとか、凄いよな……と素直に感心する。
3編目の胡散臭い記者・木島が、堀田家を守るため、マードックに近づく3編目。
マードックが密輸!? という疑惑から始まって、木島と腹を割って話を……となるんだけど、話は両方が、どちらも堀田家に救われた、という思い出話に。最終的なただの勘違いオチも含めて、コノシリーズらしい話だな、と感じる。
藤島社長がバンドワゴンに通うようになったエピソードである5編目。こちらは、そういえば、藤島社長が初登場したときは、こんな感じだったな、というのを思い出した。その上で、そのときに藤島社長が頭を痛めていた問題、なんていう辺りも、こういうことがあったな……という感じ。
そんな短編集の締めはやっぱりお婆ちゃん。色々な視点で、懐かしい気持ちだったり、新鮮な気持ちだったり、なんだけど、語り部としてはやっぱりお婆ちゃんだよね。最後に、このエピソードというのも構成のバランスが上手い。
……おばあちゃんにとっては、結構、恥ずかしい思いをした話、ってことになるんだろうけど(笑)

No.3276

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