(書評)花散里 ヒカルが地球にいたころ……8

著者:野村美月

“花散里“花散里
(2013/08/30)
野村美月

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母との別れを支えてくれた葵を妙に意識してしまう是光。そんな中、委員長である花里みちるにより、なぜか文化祭実行委員にされてしまう。さらに、月夜子主催の日舞研に、朝衣によって入れられた特別警護班。結果、文化祭準備に奔走することになってしまう……
当然っちゃあ当然なんだけど……、本当、是光の周囲が賑やかになってきたなぁ、という印象。文化祭実行委員としての仕事で、そもそも是光が忙しいのだけど、今回のヒロインであるみちると親友であった式部さんは、是光のことを巡って距離を置くようになってしまう。その一方で、葵を巡って、はたまた、式部の言葉を巡って是光が自分自身の恋愛とか、そういう部分についても直面せざるを得ない状態へと陥っていく。ここまで、どちらかと言うと、周囲が盛り上がるって感じで、是光は……という感じだったけど、どんな形であれ、話が意識したっていうのは話が進んだ、ということになるんだろう。
その上で、みちる自身の話。優秀な姉がいて、いつも比較され、劣等感を抱えて活きてきたみちる。地味で、委員長をやっているのも、周囲から期待されて、ではなく、ただ面倒ごとを押し付けられただけ。そんな彼女の魅力に気づいたのがヒカル。そして、是光。まぁ、やり方はだいぶ違うけど、是光は是光で、ちゃんとみちるを見ているからなぁ……。
だんだんと行動が不可解になっていくみちると、是光のもとへと届くアドバイスの手紙。先に書いたみちるの過去などとあわせると、みちるの抱えていたものがかなり重かったんだろうな……と感じる。虐待とか、そういうのじゃない、逆に普通にありそうだからこそそれを感じることが出来た。
と言いつつ今回は、文化祭開催を巡ってのあれこれで、全体的には明るい雰囲気のエピソードでもある。テキパキと、と言うよりも、どちらかと言うと恐怖政治で文化祭の準備を進める是光。みちるや月夜子らの行動に色々と振り回される是光。そういうところはかなり楽しい。みちるを巡って苦さと、ここでの明るい雰囲気。そのバランスが良い構成になっていたと思う。
最後に、朝衣のエピソード。……計算深い人の、その計算が全て逆に動くと……コメディそのものだなぁ(笑)

No.3299

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