(書評)水族館の殺人

著者:青崎有吾

水族館の殺人水族館の殺人
(2013/08/10)
青崎 有吾

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夏休みも中盤。風ヶ丘高校新聞部の面々は、その取材のため市内の穴場水族館を訪れる。館長の案内により館内を回っていると、水族館の目玉の一つであるレモンザメの水槽で、職員がそのサメに食い殺されてしまうという場面に遭遇する。現場の状況から、殺人事件と判断されるものの、その発生時、11人ほどの職員全員にアリバイがあって……
『体育館の殺人』に続く、裏染天馬シリーズ(?)の第2作。前作の感想で、探偵役である天馬のアニメオタク設定がちょっと気になる(あまり、作品に寄与していない、という意味で)というようなことを書いたのだけど、本作は、その辺りはかなり抑え目。多少、出ては来るけど、そのくらいはないと整合性がつかなくなるし、このくらいのバランスで良いのではないかと思う。
で、謎解き要素よりも先に、登場人物の話でいうと、天馬がなぜ学校で生活をしているのか、とか、そういうのが断片的だけど語られたり、妹が登場したり、とシリーズ化を前提に積み重ねつつあるんだな、と感じたところもある。
と前置きをした上で、その内容。先に書いたように、職員がサメの水槽に落ちて、サメに殺されてしまった。その時間にはそれぞれにアリバイが……というもの。アリバイトリックがり、それはどのように作られたのか? 前作同様、その辺りの論理性というのはしっかりとしており、本格ミステリという形をしっかりと作っている。
最も、前作は仮説を作っては検討し、それを排除し……というものだったのに対し、本作は、天馬の頭の中で早い段階で仮説が出て、それを勝手に削除という形になるので何かよくわからないうちに進んでいた、という感あり。しかも、謎解きに至るポイントとなるアイテムはちょっと強引かな? と思うところあり。また、序盤の卓球の試合とかってあまり意味がなかったような(天馬の掘り下げ……の前段階?) そういうところがちょっと冗長に感じた部分がある。まぁ、いくら職員に電波時計が配給されているとはいえ、全員が数分単位まで記憶している、なんていいうところも含めて、前作同様な強引さも含め、欠点もまたあるかな? というのは感じた。

No.3303

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