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(書評)シュークリーム・パニック  生チョコレート

著者:倉知淳

シュークリーム・パニック ―生チョコレート― (講談社ノベルス)シュークリーム・パニック ―生チョコレート― (講談社ノベルス)
(2013/10/08)
倉知 淳

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「兄ちゃん、金、欲しいないか?」 失業中で金に困っていた僕に、その怪しげな男・サクラダは声をかけてきた。危ない橋を渡るが、大もうけできる、というサクラダの提案に思わず乗ってしまった僕がすることになったのは、銀行強盗で……(『現金強奪作戦!(但し現地集合)』)
など、3編を収録した短編集。
『なぎなた』『こめぐら』以来、3年ぶりの新作。相変わらず、タイトルに意味はない。
この作品の後、2ヶ月連続刊行で『シュークリーム・パニック Wクリーム』も刊行されているのだけど、今回も、両短編集でカラーが異なっているんだろうか? 本作は、結構、マジメというか、シリアスな話が多かったように感じる。
冒頭に書いた1編目。『現金強奪作戦!』は、怪しげな男に銀行強盗に誘われる。強奪作戦のアイデアを聞き、メンバーと顔を合わせ、そしていざ当日……。タイトルにあるように「現地集合」というのがひとつのポイントになる。なるほど、確かに盲点は盲点である。そんなことはない、と思うし……。ワンアイデアの短編らしい作品。
でも、競馬ファンとしては……主人公のその発想では競馬で大負けするよ……と思ったり(そっちかよ)
『強運の男』。バーで隣の男に声をかけられ、謎のギャンブルに誘われた主人公。負けても、損をすることがない、という状況で明らかに分の悪い賭けをするのだが、それでも連戦連勝をした結果……。この手の話というのは過去、いくつか読んでいて、作品名もいくつか思い出す。オチも想定内かな? と。ただ、著者が、こういう作品も書くのか、というのは新鮮だった。
で、最後を締める『夏の終わりと僕らの影と』。高校の夏休み。自主映画の撮影を開始した僕ら。ところが、その最終日、ヒロイン役の少女が消えてしまって……
と書くと、何か暗い話のように思われるのだけど、物語の大半を占めるのは、主人公たちの自主映画撮影に関する「青い」描写。そして、一見、深刻な事件も、解いてみればたわいもないトリック。そして、その裏にあるのは……。本当、青いっすねぇ(笑)という感じ。ただ、そんな伏線があったな、というのを読み終えて思い出すとか、しっかりとした著者の技巧も発揮されている。
勿論、『Wクリーム』も楽しみにしています。

No.3311

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