(書評)迷走・暴走・逆走ばかりのニッポンの教育 なぜ、改革はいつまでも続くのか?

著者:布村育子

迷走・暴走・逆走ばかりのニッポンの教育: なぜ、改革はいつまでも続くのか? (どう考える?ニッポンの教育問題)迷走・暴走・逆走ばかりのニッポンの教育: なぜ、改革はいつまでも続くのか? (どう考える?ニッポンの教育問題)
(2013/07/19)
布村育子

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いじめ、体罰、道徳、学力低下……様々な問題が指摘される教育現場。政府は常に教育改革を掲げているが、その状況が改善した様子は見られない。そんな「教育改革」の歴史を振り返りながら、なぜ、教育改革が上手くいかないのかについて考察する書。
本書はまず、明治維新、第2次大戦後、そして、昭和46年の答申辺りから始まった「第3の改革」について綴る。そして、その上で道徳教育、「○○教育」の氾濫といったトピックスを語った後、誰が主導するのか? 教育改革を阻むもののについてつづり、まとめ、という構成を取る。
なんていうか……それぞれの章についてはまとまっているし、また、それぞれで取り扱っている内容については、その通り、と思うところが多いのだが、全体を通すとややちょっととっ散らかっているというような感じを受ける。
序文で書かれてるように、そもそも、教育の成果、というのはすぐさま現れるものではなく、しかし、いつの間にか影響が出ているもの。教育改革にしても同様で、過去の狙いや思惑と言うのがいつの間にか浸透してしまっている。題材となっている道徳教育などの流れを見ていると確かに、と思わされる。
さらに、教育改革を阻むものとして綴られる「経験論」の重視というのは全く同感である。経験論というのは、あくまでもある特殊な条件下で起きたことに過ぎない。それを一般化したとしても成功する可能性は薄いし、また、学校教育というのが誰もが経験しているだけに、それぞれが自分勝手に話を展開してしまうことでこんがらがってしまう。ある意味、教育再生会議の井戸端会議っぷりとかを見ているとその指摘の正しさを感じる。そして、それを払拭するためにも、まず教育学などの知見を、というのは著者の忸怩たる思いもあるのではないか? と思えてならない。
まぁ、先に書いたようにそれぞれのトピックスはともかく、全体を通すとまとまりに欠けている感は否めない。また、文章が妙に砕けすぎて、ちょっと読みづらいと感じた。もう少し、文体が硬くても良かったんじゃないか、とは思う。

No.3360
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