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(書評)ようこそ授賞式の夕べに

著者:大崎梢

ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (ミステリ・フロンティア)ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (ミステリ・フロンティア)
(2013/11/09)
大崎 梢

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今日は年に1度の大イベント・書店大賞の授賞式。成風堂に勤める京子と多絵は始めての授賞式参加に心躍らせる。業務を終え、いざ、授賞式へというところに福岡の書店員である花乃が二人の前に現れる。花乃は、書店大賞事務局に不審なFAXが届いており、その謎を解いて欲しいという……。その頃、同じく授賞式に向けて心躍らせていた出版社・明林書房の営業マンの智紀もまた、知り合いの出版社の営業マンから同じ事件を知らされて……
一応、「成風堂書店事件メモ」シリーズの第4作という位置づけで良いのだろうか? というのは、物語は京子と智紀、二人の主人公の視点で綴られ、智紀もまたシリーズの主役にあたるわけだから。だからこそ、「邂逅編」なのだろう。……いや……ってことは、その先もある……の?(笑)
物語の中心にあるのは、書店員による投票で順位が決まる文学賞・書店大賞。……もう明らかに「本屋大賞」をネタにしているというのがバレバレ(笑) その書店大賞の事務局に送りつけられたのは奇妙な、しかし、危機感を抱かせる文言。送り主として、8年前に店主が急死したことで閉店した金沢の書店の名前が使われ、なおかつ、その店主は書店大賞の創設にも奔走した人物でもあった。その意味することは何か? そして、犯人は?
という感じで謎が提示されるのだけど、真相がわかると「ちょっと……」という部分がある。この謎解きだけで言えば、ぶっちゃけ、短編くらいのボリュームで事足りるのではないか? と思うくらいに小粒でもあるし。
ただ……謎解きでの肩透かし感を補ってあまりあるのが、書店大賞(本屋大賞)にまつわる意見の数々であり、また、書店員と出版社の関係とったところの部分。本屋大賞に対する批判として、当初こそあまり知られていない作品も多かったけど、最近は……なんていうのは、私自身も思っているし、また、システムの限界なども感じるところはある。また、賞として大きくなることで、出版社側の思惑も大きく、なんていうのもなるほど、と感じた。また、本の宣伝に書店員が関わる、という部分などについて。私自身も、読者モニターとして何度か単行本の帯などにコメントを掲載してもらったことなどがあるのだが(ただし、匿名で、だけど(笑))、謝礼としてもらったのは、せいぜい作者のサイン本くらい(まぁ、これはこれでうれしいのだけど) でも、そういうところで何度も名前が出れば、出版社と広く繋がっているように思える、というのはわかる。私自身も読者モニターとかをする前までそう思っていたし。微妙に立場は違うけど、本を売り、盛り上げていこうという意思は同じ。その中での関係性というような部分が強く感じられた。
というけど、作中の「書店大賞」と同じく、本作の、2つのシリーズの主人公たちが出会った、というのも著者のファンとしては立派な「お祭り」だよね。……そんな感想になってしまったりする(笑)

No.3388

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