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(書評)マグダラで眠れ5

著者:支倉凍砂

マグダラで眠れ (5) (電撃文庫)マグダラで眠れ (5) (電撃文庫)
(2014/02/08)
支倉凍砂

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炎を吐く竜を用いて、カザンの町を脱出したクースラたち。港町ニールベルクで、各地から逃れてきた騎士団と合流し、起死回生を目指すことに……。しかし、そのニールベルクではある問題が発生していた。それは、神の祝福を受けるための鐘楼の製作に失敗し続けているという。やがて、そこに巻き込まれていって……
「クースラって……」
あとがきで、著者が書いている言葉なのだけど、まさにそんな感じのエピソード。なんていうか、スタート時とは裏腹に、どんどんクースラが『狼と香辛料』のロレンスっぽくなってきて、逆にフェネシスがホロっぽくなってきているような……(笑)
今回の話は、冒頭、カザンの街から脱出した後は、ニールベルクの街で実質的に篭城戦をしている中での物語。カギとなるのは、鐘楼の製作なのだけど、その中で、どんどんクースラの狙いがズレていく様が見所。鐘楼作り、それは、最早技術も何もかもが確立されたもの。成功・失敗も、単なる確率論に過ぎない。しかし、それはわかっていても、人々の意識はそれでは済まない。そして、その中で、鐘楼作りを回避しようとしたクースラの選択は全て裏目に出て行く……
何というか、ここまででも甘さ、ってのは感じていたのだけど、今回は本当に小手先のところでしのごうとして裏目に出るクースラの甘さがこれまでになく出てしまった感じ。そして、そうなっているだけに、ここまでで少しずつ成長(?)していたフェネシスのたくましさが強調される、というか。物語的に両者の立場が入れ替わりつつある、というのがよくわかる巻になっている。それが、あとがきで著者が述べていた「転換点」ということになるんだろうけど……
ただ、正直、今巻のラストでシリーズ完結? とすら思ったのも事実。この辺りで折り返し、らしいのだけど……そうすると、ますます、『狼と香辛料』っぽくなりそうに思えてならないのだけど……さて、どーなる?

No.3393

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