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(書評)七人ミサキも恋をする

著者:丸山英人

七人ミサキも恋をする (電撃文庫)七人ミサキも恋をする (電撃文庫)
(2013/11/09)
丸山英人

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ごく普通の少年・臼谷伊吹が目覚めると、目の前では二人の少女が争っていた。そして、話をしているうちに、少女は二人どころか七人もいることが判明する。そして、彼女たちは、悪名高き悪霊集団「七人ミサキ」なのだという。そして、自分を殺しに来たはずなのだが、七人のうちの一人・郁が伊吹に一目惚れしてしまい、殺したくないと言い出したのだといい……
七人ミサキって、妖怪がいたんだ……初めて知った(笑)
ううむ……よくよく考えると、この作品って結構切ない感じの悲恋モノになりそうな感じだよな……。作品のカラーとしては、ドタバタコメディそのものなんだけど……。
本作のヒロインたちである「七人ミサキ」。それは、七人の亡霊たちが集団となり、相手を憑き殺すという存在。相手を憑き殺すと、一人が成仏でき、憑き殺された人間が七人ミサキの新入りとして加わる。しかし、それは相手を呪い殺さないと永遠と、亡霊としていき続けるということになるし、一方で、ミサキと主人公の関係は憑くものと憑かれるものだからくっつくわけに行かない。そのように考えるとねぇ……
実際、そういう設定のシリアスさは背景として感じる。けれども、基本的にコメディとしてまとめるのが著者らしさなのかな? と感じる。といいつつ、著者の作品は本作のほかに『隙間女(幅広)』しか読んではいないのだけど、それもこんな感じだったからなぁ。
ぶっちゃけ、本来、主人公に惚れたはずの郁よりも、早く主人公を憑き殺すべき、と言っていた初希の方がメインヒロインみたいになっちゃっていた気がするし、七人のうち、他の面々は(性格とかは出ているけど)影が薄いっていうのはある。というか、1巻しかない作品で、一気に七人も出てきて、それぞれを深く掘り下げろ、っていうのが無理な話、というかも知れないが。
多分、このまとめ方だと1巻で完結だと思う。でも、話としては上手くまとまっているし、なかなか楽しめた。

No.3405

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