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(書評)終物語・上

著者:西尾維新

終物語 (上) (講談社BOX)終物語 (上) (講談社BOX)
(2013/10/22)
西尾 維新、VOFAN 他

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秋、暦が神原駿河に紹介されたのは忍野メメの姪だという少女・忍野扇。彼女に付き合い、「存在しないはずの教室」を訪れた暦は、扇と二人でそこに閉じ込められてしまい……
ということで、いよいよ始まるシリーズ最終編の上巻。まぁ、まだ中巻、下巻があるので、「終わりの始まり」という感じ。というか、『憑物語』よりも前だし、どちらかと言うと、暦そのものの掘り下げ回という印象。
話そのものは3つの物語の連作中編という感じの構成。
冒頭、教室に閉じ込められた暦と扇。時間がいつまでも変化しない、というその教室は、2年ほど前、それまででもそれほどクラスに馴染んでいたわけではなかった暦が決定的に人付き合いを避けるようになった原因となった現場を指していた。そこで行われていたのは、試験での不正疑惑に対する糾弾会議。そして、なぜか、暦がその議長になってしまう……
作中でも言われているが、そもそものところからして真偽が不明。しかも、根拠も無い。そんなところでの会議など、グダグダになるだけ。そして、その結果、不正の犯人として「とりあえず」指摘されたのは暦を嫌っていた少女・老倉育。そして、その後、彼女は不登校になってしまう……
そして、そこから今度は、老倉と暦の因縁へと話が移っていくのだが……
暗い……
老倉が暦を嫌う理由の一つだった、暦の数学の成績が良いということ。そうなるきっかけとなったのは廃屋で出会った少女に数学を教わったこと。その少女の正体とは?(まぁ、これだけで誰だかわかるよね) そして、そんな少女は、暦に何を求めていたのか?
ここまででも、『偽物語』などで、妹たちの行動を偽善などと批判的に言っていた暦だけど、そういう「自称・正義」への嫌悪感とか、そういうのをとことん突き詰めるような物語が印象。何も知らないことの罪。そういうものがこれでもか、と詰め込まれている。そして、そのことを突き詰めるように誘導していく扇の不気味さも。
この巻の話は、とりあえずここで一つ決着している。その意味では、『終物語』というタイトルが付けられたけど、これで良いの? と言う感じもする。今回のエピソードの中に、中巻、下巻への伏線などがちゃんとあるのかも、とも思う。楽しみ。

No.3411

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