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(書評)酷 ハーシュ

著者:前川裕

酷: ハーシュ酷: ハーシュ
(2014/02/21)
前川 裕

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荻窪のマンションで新婚夫婦が殺害される。凶器は手斧。若妻の口には、高級ブライダルサロンのパンフレットが押し込まれていた。それから2年、すっかり迷宮入りしてしまった捜査本部へと入った若手刑事・手塚は、その18年前にも同じような事件が発生していたことを知る。そんな中、捜査本部を指揮するはずの管理官が失踪してしまう……
うーん……
次々と新事実が判明し、その中で物語がかき回される、という構成はなかなか見事。297頁ほどという分量でありながら、内容が濃密だというのはよくわかる。しかも、リーダビリティも高い。そういう基本的なところはしっかりとクリアされており、エンタメ作品として楽しめたのは確か。というか、最早、こういうところで評価しなくて良いかな? と言う感じ。
ただ、正直、過去の2作。『クリーピー』、『アトロシティー』と比べるとイマイチと感じる。
まず、過去2作同様、登場人物の配置がかなり強引。登場人物がそれぞれ実は密接な関係にありました、というのはやっぱり無理があると感じてしまう。特に、登場人物のうちのある一人なんかは、作中でも言われているように、そもそも公正な捜査という観点からしてあり得ない。そういう細かいところが積み重なって、無理やりさを感じてしまう。
さらに、その登場人物が揃いも揃っておかしな人、というのも何だかなぁ、というところ。犯人の抱えているものについて、精神医学などの話などを加えて作り出しているのだけど、イマイチ、そこまでの過程が弱い。さらに、それ以外の人たちについても、それこそ、精神科などに行ったら何かの病気と診断されるんじゃないの? というくらいに。そんな登場人物たちで、なおかつ、過去作と比べて生々しい性描写などが加わるため、単純に生理的嫌悪感ばかりを感じてしまう。
最初に書いたように、めまぐるしい展開などで読ませる力があるのは間違いない。ただ、それ以上には残念ながらなっていないかな? という感じ。

No.3420

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