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(書評)あいまねっ!

著者:平山ひろてる

あいまねっ!-Idol is money!?- (一迅社文庫)あいまねっ!-Idol is money!?- (一迅社文庫)
(2014/01/18)
平山 ひろてる

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アイドルを育成し、アイドルビジネスを実施する公営の学校・二宮学園。そんな学園で、敏腕プロデューサーとして知られ、一方で、金にならないとみなしたアイドルはすっぱり切り捨てる少年・佐藤伸吾は「鬼の佐藤」と呼ばれていた。そんな彼の前に現れたのは、この上ない愛嬌を秘めた少女・西宮有紗が現れる……
一迅社文庫新人賞・金賞受賞作。
新人賞の受賞作だから当然といえば当然なのだけど、凄く荒削りな印象を受ける。っていうか、ぶっちゃけ、欠点だらけ。
まず、何よりも設定が甘い。
主人公の佐藤はプロデューサーで、ヒロインがアイドル、というのだけど……ぶっちゃけ、主人公の佐藤って、プロデューサーの仕事しているか?(苦笑) いや、そもそも、プロデューサーの仕事って何なのか、っていうのが私は完璧に理解しているとは言いがたいんだけど……作中で佐藤がやっていることって、マネージャーの仕事のように思えるんだが……。別に佐藤が楽曲を作っているわけではないし、元々の有紗のキャラで、ということで売り方の方向性を決める、みたいなものもほとんど無い。イベントとかも、学校であらかじめ用意された舞台で、だし……。他にも、有紗のライバル・れーにんのプロデューサーを勤める元アイドル万桜あたりについてもイマイチ掘り下げられていない。そもそも、設定的に高校生の年齢なんで、敏腕とか、そういうのからして色々とおかしくない? と思うのだが……
さらにストーリーもなんか中途半端。学校の中のイベントをこなして、かつて、佐藤が切り捨てたアイドルの嫌がらせがあって、なんていうのがあるんだけど、凄く簡単に流されてしまうし、最後、負けるとしても何かやり遂げた、というようなものが感じられない。他の方の感想を読んでいたら、「プロローグで終わり?」というようなものがあったのだけど確かにそんな感じ。どうにも煮え切らない。
とここまで書いたことを見るとどうしようもない駄作という感じなんだけど……一方でしっかりとした長所もある。
それは、ヒロイン・有紗が可愛い、ということ。同じような感想を『魔法幼女と暮らしはじめました。』(猪野志士著)にも書いたのだけど、そちらの「可愛さ」が小さな女の子の無垢な可愛さ、というのが光るのに対し、本作のヒロイン・有紗は健気さ、マジメさ、からの愛嬌というのを感じる。自分の語彙力がないので上手く伝わっているか自信がないけど、その部分を評価されたのだろう、というのを感じた。
作品としての完成度は低い。けれども、ヒロインの可愛さで一点突破した作品。そんな評価になる。

No,3427

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