著者:嶋中潤
金曜の夜、帰宅しなかった高校生の娘・悠子。心配をする父・亨の下へと掛かってきたのは、娘を誘拐したという電話。犯人の要求は2つ。一つは2000万円の身代金。そして、それを娘の母に運ばせよ、というもの。だが、その母・エレナは、日本で死亡事故を起こした挙句、母国であるブラジルへと帰国してしまっていた……
第17回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
応募時のタイトルは『カウントダウン168』。それが刊行にあたって『代理処罰』へ。どちらもイマイチ、内容を示しているとは言いがたいような。『カウントダウン168』だとイマイチ、何を指しているのかわかりづらいし、『代理処罰』というタイトルほどに、「代理処罰」の問題がクローズアップされたわけではないし……
まぁ、著者はデビュー作とは言え、過去に何作も新人賞に応募し、最終選考まで残っていた実績の持ち主。その意味で、文章はしっかりとしているし、伏線なども手堅くまとめられている。そういう意味で手堅くまとまっていると思う。まぁ、多少、「遊びが無い」という見方も出来るだろうが、それぞれの不自然な流れなどもしっかりと理由が説明されるなど、きっちりとまとめてきた感じがする。
ただ、その律儀さ、みたいなところが真相のわかりやすさに繋がっている気がするのはもったいない。
母親が人を死なせたまま逃亡してしまった。そのことを思い悩んでいた娘。大好きだと言っていた部活も辞め、秘密裏にバイトをして金をためていた。しかも、その遺族と接触した気配もある。この時点で、ある程度、「こうじゃないか?」と予想できるでしょ? そういうのが結構多いのだ。それでも、主人公を当事者にする、などの工夫により、不自然さを最大限、排除しているのは評価すべきとしても。
正直、可もなく不可もなく、というような感じではある。ただ、ちょっとした時間つぶしなどに読むのにはちょうど良いのかもしれない。
No.3430

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金曜の夜、帰宅しなかった高校生の娘・悠子。心配をする父・亨の下へと掛かってきたのは、娘を誘拐したという電話。犯人の要求は2つ。一つは2000万円の身代金。そして、それを娘の母に運ばせよ、というもの。だが、その母・エレナは、日本で死亡事故を起こした挙句、母国であるブラジルへと帰国してしまっていた……
第17回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
応募時のタイトルは『カウントダウン168』。それが刊行にあたって『代理処罰』へ。どちらもイマイチ、内容を示しているとは言いがたいような。『カウントダウン168』だとイマイチ、何を指しているのかわかりづらいし、『代理処罰』というタイトルほどに、「代理処罰」の問題がクローズアップされたわけではないし……
まぁ、著者はデビュー作とは言え、過去に何作も新人賞に応募し、最終選考まで残っていた実績の持ち主。その意味で、文章はしっかりとしているし、伏線なども手堅くまとめられている。そういう意味で手堅くまとまっていると思う。まぁ、多少、「遊びが無い」という見方も出来るだろうが、それぞれの不自然な流れなどもしっかりと理由が説明されるなど、きっちりとまとめてきた感じがする。
ただ、その律儀さ、みたいなところが真相のわかりやすさに繋がっている気がするのはもったいない。
母親が人を死なせたまま逃亡してしまった。そのことを思い悩んでいた娘。大好きだと言っていた部活も辞め、秘密裏にバイトをして金をためていた。しかも、その遺族と接触した気配もある。この時点で、ある程度、「こうじゃないか?」と予想できるでしょ? そういうのが結構多いのだ。それでも、主人公を当事者にする、などの工夫により、不自然さを最大限、排除しているのは評価すべきとしても。
正直、可もなく不可もなく、というような感じではある。ただ、ちょっとした時間つぶしなどに読むのにはちょうど良いのかもしれない。
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