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(書評)追憶の夜想曲

著者:中山七里

追憶の夜想曲追憶の夜想曲
(2013/11/21)
中山 七里

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凄腕だが、法外な弁護料を請求することでも知られる弁護士・御子柴は、夫殺しの容疑で懲役16年という主婦の弁護人を買って出る。既に容疑を認めた彼女の弁護をなぜ、御子柴は引き受けたのか? そして、主婦は何を隠しているのか?
『贖罪の奏鳴曲』の続編にあたる作品。
前作は、そもそも「御子柴って何者?」という謎があり、事件の真相とかもそれと関係しているのだろうか? など、色々と攪乱させられたのだが、本作は、御子柴がどういう存在なのか、というのは明らかになった状態で読み始めることに。そのため、事件そのものに集中して読むような格好になった。そして、それで見ると、大体、事件の8割くらいのところまでは想像が出来る。
勤めていた会社をリストラされ、それ以来、求職活動をしようともせずに過ごす夫。被告である妻は、2人の娘らを支えるため、パートに出て過ごしていた。そして、そんなある日、職場の男性と暮らすため、という動機で夫を殺した。2人の娘のうち、長女は、事件のショックでか寝込んでいる……
何かを隠している、それは何かを守るため。その部分については、早い段階で予想が出来る。
ただ、そこに御子柴の過去を絡めて行くことで予想外の方向に持っていく辺りが流石、というところだろうか。ある意味、このネタって、シリーズとしてこれ以上、広げることが難しくしているような気がする。しかし、それだけに単発の物語としてはこの上なく効果的なサプライズとなっている。
もっとも、なんか無理がないか? と思うところもある。(ネタバレ反転)主婦が事件を起こしていない、という理由として、実は主婦が先端恐怖症でカッターすら持てない、という。ところが、この主婦は、会計事務所の事務員として、かつて働いていたし、また、現在もまたパートをしていた、という。事務仕事でも鋏やカッターなどは使わないだろうか? また、机の角すら恐怖を覚える、という人間が公判の最中、完璧に隠しとおせるものだろうか?(ここまで)
また、最終的にひっくり返して、というのはいいのだが何か後味が悪い。まぁ、真相がこうである以上、どうしようもないのは確かなのだが……
それも含めて、大筋は予想できたぞ! でも、そこを絡めるのか!? 何とも苦い後味……。その緩急を堪能できた、というのは間違いない。

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  •  またも二転三転と 
  • 小説「追憶の夜想曲」を読みました。 著者は 中山 七里 「贖罪の奏鳴曲」からの続編 弁護士 御子柴礼司シリーズといえばよいか 私的に前作が良かっただけに今作も期待して読みましたが・・・ 予想を裏切ることなく、前作に負けず劣らずの いや〜面白かったですね ま...
  • 2015.01.19 (Mon) 17:56 | 笑う社会人の生活